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ダルビッシュ有「すごく自信がついた」メジャー12年目の大活躍、36歳にして“ベストシーズン”を過ごせた理由「野球だけという感じだった」 

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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posted2022/10/29 17:12

ダルビッシュ有「すごく自信がついた」メジャー12年目の大活躍、36歳にして“ベストシーズン”を過ごせた理由「野球だけという感じだった」<Number Web> photograph by Getty Images

パドレスの主軸として今季通じて好調を維持したダルビッシュ

ポストシーズンでは4試合に先発

 ダルビッシュは今ポストシーズンで4試合に先発し、2勝1敗、防御率2.88の好成績を残した。その戦いを通じて感じたことも多くあったという。

「やっぱりレベルの高い、最高峰の舞台でみんなが何としても勝ちたいという試合をしている。バッター(のアプローチ)もシーズン中と違ったりとか、そういうところがいっぱいあって、勉強になりました」

 極端な守備シフトが敷かれるようになって久しいメジャーリーグだが、このポストシーズンでは守備シフトで大きくあいた穴を狙って打つ打撃も目立った。進出した12球団中、最低年俸総額(約1億ドル)のガーディアンズはシーズン中から徹底していたが、本塁打か三振かという打撃スタイルは下火になりつつある。常にインプレーを生み、走者を進める打撃アプローチに加え走塁への意識も高くなった。安打なしで1点をとる野球、いわゆる『スモールボール』への回帰は野球というスポーツの本質を考えれば意義深い。第5戦でパドレスを撃破したフィリーズのハーパーが放った逆方向への決勝本塁打も「後ろに好打者が揃っているので、つなぐ気持ちだった」と語っている。“つなぐつもりが本塁打”。これこそがメジャーリーグの野球であろう。

メジャー通算100勝まで“あと5勝”

 ダルビッシュは来季へ向け早くもbuild-up(強化)を宣言した。

「特にこのシーズンは試合で結果を出すというところで、トレーニングだったりそういう部分を犠牲にすることも結構あった。エンジンという部分ではちょっと持たなかったというところは正直ある」

「もう1回ちゃんと体を鍛え直して、ちょっとだけ休んで、またしっかりトレーニングを始めて、来年いい状況で帰ってこれるようにしたい」

 メジャー12年目。37歳を迎えるダルビッシュにとって来季は6年総額1億2600万ドルの契約最終年にあたる。日本人ふたり目のメジャー通算100勝までもあと5勝。束の間のオフを家族とともに満喫し、来季に向け備えて欲しい。

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