「本気で秋の日本一を獲りにいきます」

　とはいえ、成長はまだ曲線を描きつつある程度に過ぎない。須江は「合格点を与えられるのは7人くらいしかいない」と、東北を制しながらも厳しい目をチームに向ける。出場権を獲得した明治神宮大会では、確実にメンバーは入れ替えると明言もした。

「本気で秋の日本一を獲りにいきますから」

　チームが未完成であると認めながら、須江に勝利を渇望させる“強い何か”があるとすれば、それは東北地区のプライドだ。

「神宮大会で優勝すれば、東北に1枠増えるのでセンバツに4校出られますから。近年、東北は着実に力を上げています。それはうちだけじゃないんです。東北のチームが甲子園に多く出ることで、そのことを証明できると思っていますから。絶対に勝ちたいです」

　今年の夏、白河の関の重き扉を開けた、東北の盟主が旗を振る。

　春の頂点を一緒に目指しましょう――。

　仙台育英が明治神宮大会で勝つ。東北各地のチームの唸りが、全国に轟く。

#2に続く

センバツ当確の東北高で“まさかの大改革”…元巨人の新監督「ヒロシさん」の指導でエース・ハッブス大起が覚醒「本当に新しい感覚」

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