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「エラーをすると泣きそうな顔をしてるでしょう?」西武・辻監督が喜んだ“リーダー山川穂高”の成長…愛された指揮官が6年間で残したもの
posted2022/10/11 06:00
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
KYODO
クライマックスシリーズ・ファーストステージ第2戦、埼玉西武ライオンズが敗れた数時間後、球団公式サイトから辻発彦監督(63歳)の退任あいさつの動画が配信された。終始、笑顔でファンへの感謝の言葉を紡ぐ姿は、ファンに愛された辻監督らしい最後のメッセージだった。
勇退が発表された直後からツイッターでは「ありがとう辻発彦」や「辻監督ありがとう」のハッシュタグがトレンド入り。退任を惜しむファンの声でいっぱいになった。
「楽しかった」
「西武に戻ってきてくれてありがとう」
感謝の言葉がツイッター上にあふれかえる。これほどまでに、ファンに惜しまれてチームを去る監督は珍しい。
2度のリーグ制覇とAクラス入り5回
3年連続Bクラスというチームの再起を任され17年に監督就任。18年、辻監督にインタビューをした際に、監督はこう語っている。
「確かに勝つことは大事。でも何より“いいチームを作ること”が重要だと思っています。勝負事なので勝ち負けは必ずある。その中でお客様が球場に足を運んで『西武の試合が見たい』『西武の野球は面白い』と思ってもらうこと。応援しがいのあるチームになること。それがチームの魅力につながるはずです」
6年の任期で2度のリーグ優勝とAクラス入り5回という成績を残した。その数字以上に、選手の個性を大事にし、魅力あるチーム作りを心がけてきた辻監督の功績は大きい。