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“往年のレジェンドボクサー”のファイトは「ドル箱」に…朝倉未来と対戦、メイウェザー45歳が“日本のRIZINで闘う理由”
posted2022/09/23 17:04
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
いったい何が起きているのか。どういう意味なのか。疑問だらけだという人もいるのではないか。
なにしろ、日本格闘技界における目下最大の話題はエキシビションマッチ、つまり公式戦ではない闘いなのだ。
9月25日、さいたまスーパーアリーナで開催される『超RIZIN』。そのメインイベントとして組まれたのはフロイド・メイウェザーvs.朝倉未来である。というより、この一戦のために『超RIZIN』というイベントが設けられたと言っていい。
メイウェザーvs朝倉は“ただのショー”ではない
2018年大晦日のメイウェザーvs.那須川天心同様、ボクシングルールに準じるスタンディングバウト。3分3ラウンドで契約体重なしのフリーウェイトとなる。エキシビションのため判定なし、公式記録にも残らない。
言うまでもなく、メイウェザーはボクシング界の超ビッグネームだ。公式レコードは50戦50勝。無敗で世界5階級制覇を成し遂げた。武器は卓越したテクニック。特に防御に優れ“ディフェンスマスター”のキャッチフレーズも持つ。
そんな大物が日本で闘う。それもボクシングのリングではなく、MMAを主体とするRIZINで。相手もMMAファイターの朝倉だ。どうしてこんな対戦が成立するのか。確かに不思議なのである。
断っておかなくてはいけないのは、この一戦はエキシビションながら“真剣勝負”を前提としていることだ。エキシビションというと“パフォーマンス”、ショー的なものと思われるかもしれないが、公式記録に残らないというだけ。朝倉は倒しにいくことを公言している。
実際、2018年大晦日にRIZINで行われたメイウェザーvs.那須川天心は、メイウェザーが那須川からダウンを3度奪い、1ラウンドでタオル投入となった。
レジェンドのエキシビションが“ドル箱”になっている
2017年に現役を引退したメイウェザーは、その後3度のエキシビションを行なった。その皮切りが那須川戦。昨年6月には、人気YouTuberのローガン・ポールとも対戦した。ローガンはボクシングのプロライセンスを持っているが、これもエキシビションだ。
今、アメリカではYouTuberやレジェンドボクサーのボクシングマッチがPPVの“ドル箱”になっている。ローガンの弟ジェイク・ポールもYouTuberで、ボクシング5戦5勝。MMAファイターとの対戦で話題となった。