Beyond The GameBACK NUMBER
エンゼルス身売りで新オーナーが握る大谷の未来。
posted2022/09/15 07:00
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
AFLO
イチローさんはやっぱりシアトルの英雄である。その英雄の現役時代、心強い味方だったのが任天堂社長で当時のシアトル・マリナーズのオーナーだった故山内溥氏だった。
山内氏のマリナーズ買収は1992年。経営が悪化し、シアトルからの移転が取り沙汰される中「長い間米国任天堂を置かせてくれたシアトルへの恩返し」として、球団運営会社の株式購入に乗り出した。ところが当時のコミッショナー、フェイ・ヴィンセント氏が日本企業の球団保有に難色を示したため、保有株を全体の49%にとどめ、山内氏は共同オーナーの1人となった。そうしたビジネスを超えた配慮の結果、マリナーズはシアトルに残ることができた。