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エリザベス女王と“サッカーの母国”の幸せな関係… 唯一のW杯優勝トロフィーを渡した日、セスクいわく「彼女はアーセナルファン」だった?
posted2022/09/11 06:00
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph by
WPA Pool/Getty Images
現地時間9月8日、英国のエリザベス女王が96年の生涯を終えた。同国史上最長となる70年の在位を遂げた女王は、その間に文化やスポーツの発展にも大きく貢献し、イングランド発祥のフットボールにも温かい眼差しを向けてきた。
W杯トロフィーを手渡し、EURO2020でもエール
イングランドが史上唯一、世界の頂点に立った1966年の自国開催のW杯では、決勝の後に女王がジュール・リメ杯(初代W杯トロフィー)を主将のボビー・ムーアに手渡している。25歳という若さで君主に即位してから14年後のことだった。
女王は昨年、スリーライオンズ(イングランド代表の愛称)がEURO2020(パンデミックの影響で1年延期)で、1966年W杯以来となるメジャートーナメントの決勝に進出した際、次のように当時の心境を語り、また選手たちを励ましている。
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「55年前、私はボビー・ムーアにW杯トロフィーを授与する幸運に恵まれました。国際主要大会のファイナルに到達して勝利を収めることが、選手やコーチ陣、スタッフにどれほどの意味を持つのかを目の当たりにしました。欧州選手権の決勝に勝ち進んだあなたたち選手に、私と私の家族から祝福の意と明日(の試合)への祈りを表明したいです。そして歴史上に、あなたがたの成功だけでなく、あなたたちが身につけてきたスピリットと献身、誇りが記録されることを願っています」
国民の大半に愛された女王の逝去を受け、この競技の各団体もすぐに哀悼の意を表明した。
英国王室が現地時間午後6時半に訃報を伝えると、その11分後にマンチェスター・ユナイテッドは「バッキンガム宮殿からのエリザベス二世女王の訃報を受け、英国全体の悲しみをマンチェスター・ユナイテッドも共有します」とツイート。その6分後にはマンチェスター・シティが、「エリザベス二世女王が逝去され、マンチェスター・シティは英国王室に心から哀悼の意を表明します。女王の貢献と公務は常に立派なものでした。女王の喪失を惜しむ私たちの国、そして英連邦と、我々も悲しみを共有しています」と続いた。
どちらもクラブのロゴをモノクロにし、女王からFAカップのトロフィーを授けられた時の白黒写真を添えている。
ELアーセナル戦では後半開始前に黙祷
アーセナルはその日、ヨーロッパリーグのグループステージ開幕戦のFCチューリヒとのアウェー戦が組まれており、女王の訃報が公にされた時、すでに試合は始まっていた。そして後半が始まる前に両チームの選手がピッチに揃ったところで、スタジアム全体で黙祷が捧げられた。