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清原和博が甲子園で伝説になった瞬間 「明日チームは優勝する。俺は2本のホームランを」「一度でいいから“PLの清原・桑田”と」 

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photograph byKatsuro Okazawa/AFLO

posted2022/08/18 20:00

清原和博が甲子園で伝説になった瞬間 「明日チームは優勝する。俺は2本のホームランを」「一度でいいから“PLの清原・桑田”と」<Number Web> photograph by Katsuro Okazawa/AFLO

1984年、PL学園の清原和博

 3年生で集大成を迎えた清原・桑田ら擁するPL学園は、初戦から今も1試合最多得点となる29得点を奪う大勝で発進。3回戦は桑田の完封勝利で3-0で勝利すると、準々決勝では清原が「140メートル級」と言われる超特大ホームランを放つなど、6-3で勝利し、準決勝では15点を奪う圧勝で勝ち上がってきた。

 宇部商との決勝戦を前日に控えて、清原は「優勝する」、そして「2本のホームランを放つ」という決意を口にした。宇部商業の主砲・藤井進は大会新記録となる4本の本塁打を放ち、清原は1本差で追っていた。

 その緊張感あふれる夜に、チームメイトに優勝と本塁打記録を力強く宣言していたのである。

あそこまでのホームランは初めてだったんじゃ

<名言3>
真芯です、ね……。あそこまでのホームランは初めてだったんじゃないかな。
(清原和博/Number958号 2018年8月2日発売)

◇解説◇
 日本中の注目が集まる宇部商戦、清原はまさに有言実行となるアーチを甲子園の空に高々と描いた。

「配球というのは全く意識しませんでした。表現するなら『きた球を打つ』」としか考えていなかった清原は、4回のレフトへの本塁打に続き、6回にも真ん中高めに浮いた球をバックスクリーンに放り込む。あまりにも有名な「甲子園は清原のためにあるのか!」の名実況が生まれたシーンである。

 スコアをタイに戻した清原の2本塁打もあって3-3で進んだ試合は、9回にPLのキャプテン松山秀明がサヨナラ安打。PLとKKコンビは日本一という最高のエンディングを迎えた。

 プロ入り後、清原は「僕には野球の神様がいつもついているような気がする」と語っていたことがある。まさにそれを体現するかのような2つのホームランだった。

【次ページ】 一度でいいから「PLの清原・桑田」と書かせてみたい

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