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《F1前半戦総括》王者の風格で首位独走のフェルスタッペンと、速くても結果が残らないルクレールの明暗を分けたものとは
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images / Red Bull Content Pool
posted2022/08/05 11:01
チャンピオンの風格が出てきた今季のフェルスタッペンは、チームと強い信頼関係を築き、いい形で前半戦を終えた
ところが、レースはある選択を巡って、レッドブルとフェラーリが異なる判断を下したことで形勢が逆転する。その選択とはタイヤだ。日曜日のハンガロリンクは涼しく、タイヤに関するデータを収集した金曜日とは異なるコンディションとなっていた。
スターティンググリッドへ向かう走行で、路面が冷えてタイヤがなかなかグリップしないと訴えたフェルスタッペンの声に耳を傾け、レース直前にタイヤ戦略を大きく変えたレッドブル。
レース戦略で別れた明暗
一方のフェラーリは、肝心の最後のピットストップのタイミングを巡ってチームとドライバーの意見が合わず、チームがルクレールを早めにピットインさせる。さらにフェラーリは誤ったタイヤを選択してしまった。これによりルクレールは6位に終わり、フェルスタッペンは逆転優勝を遂げた。
「レースで下す決断はいつだって難しい。でも、僕のチームにはたくさんの素晴らしいスタッフがいる。今回は彼らが本当に良い仕事をしてくれた」とフェルスタッペン。
一方、ルクレールは「(最後のピットストップは)あそこでフェルスタッペンに反応してピットインするべきじゃなかった。僕はできるだけ長くミディアムで走り続けたいって明確に伝えていたのに予定よりも早くピットインさせられ、しかもハードに履き替えることになった。なぜなのか理解する必要がある」とチームへの不信感を募らせた。
勝利に勝る良薬はない——しかし、勝利から学べないものを敗北から学ぶことができる。
8月下旬から始まる後半戦で、どちらのチームにどちらの言葉があてはまるのか。それはまだ、だれにもわからない。
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