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「毎日、生きているなっていう感じがする」26歳馬場雄大が「NBA」にこだわり続ける理由…“3年前と全然違う”と語った現在地とは?
posted2022/07/22 11:03
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
USA TODAY Sports/Reuters/AFLO
「気づいたら26になっていました」
3年ぶりにNBAのサマーリーグに出場した馬場雄大は、そう言ってため息をついた。
「コロナとかもあって、気づいたら26になっていた。前回サマーリーグが23のときだったんで、今、(自分では)24歳ぐらいの感じなんですけれど」
初めてNBAサマーリーグに出たときの馬場は23歳だった。筑波大学在学中からBリーグのアルバルク東京に入ってプロとしてのキャリアをスタートさせ、Bリーグ新人王やチャンピオンシップMVPにも選ばれる実績をあげていた。
そして、NBA挑戦への第一歩として、2019年夏にダラス・マーベリックスのメンバーとしてサマーリーグに出場し、何もわからない中で無我夢中にプレーし、アメリカでもやれるという手応えをつかんだ。活動の場を海外に移すきっかけとなった夏だった。
あれから3年が経ち、26歳になった今回は、ゴールデンステイト・ウォリアーズのメンバーとしてカリフォルニア・クラシックとNBA 2K23サマーリーグの2つの大会に出場した。
3年前のサマーリーグとは「全然違う体験」
しかし自分では24歳のつもりでも、実際にはチームの中で3番目に年長の26歳。若手の登竜門の場として、経験の浅い20代前半までの選手が中心となるサマーリーグで、自分はもう若手とは見られなくなっていることに気づかされた。
同じサマーリーグのメンバーとして名前を連ねていても、ドラフト指名のルーキーや、すでにチームと契約している若手などに優先的に出場時間が与えられ、馬場のようなNBA契約を狙う選手は、余った時間を取り合うことになる。3年前には目に入らなかった世界だ。
タイミング悪く途中の練習で腰を痛めたこともあって、出場機会はさらに限られ、結局、出場したのは8試合中4試合。ファンを沸かせるプレーを見せた場面もあったが、全体としては思ったようなプレーができず、不完全燃焼のままサマーリーグを終えた。
「コロナで2回の夏をつぶされた(サマーリーグに参加できなかった)中で、どんどん若い選手が入ってきて。その大変さもちょっと感じたサマーリーグでした。若い選手を使っていくっていうNBAの方針があるので、そこで外部から来た選手で、しかも若くない選手を使うっていうのは、そうとう信頼されていないとできないことだと思う。すべて勉強ですね。3年前と同じサマーリーグですけれど、全然違う体験をしました」