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「毎日、生きているなっていう感じがする」26歳馬場雄大が「NBA」にこだわり続ける理由…“3年前と全然違う”と語った現在地とは?
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byUSA TODAY Sports/Reuters/AFLO
posted2022/07/22 11:03
ウォリアーズのメンバーとしてサマーリーグに出場した馬場雄大(26歳)。負傷もあり、出場機会が限られたが、NBA入りを目指す熱い思いは消えていない
もちろん、馬場もこの3年を無駄に過ごしてきたわけではない。
コロナ禍の影響を受けながらも、NBA傘下のGリーグチーム、テキサス・レジェンズや、オーストラリアのNBLに所属するメルボルン・ユナイテッドに所属し、どちらのチームでもヘッドコーチの信頼を得て、レギュラーメンバーとしてチームに貢献していた。ユナイテッドでは2020-21シーズンのリーグ優勝も経験している。
そういった経験を積んで、成長したと感じていたからこそ、思うように実力を発揮できなかったことが悔しくてしかたなかった。
「1回目(のサマーリーグ)でこれなら、『やっぱりこんなものか』って整理がついたんですけれど、オーストラリアとかGリーグを経て自信をつけてっていうところだったので余計に疲労感が……。やらせてもらえなかった……というか、うまくアジャストできなかったですね」
何かきっかけがあれば状況は変わっていたのではないかという思いもある。と同時に、それができなかったことが今の自分の現実だということも理解し、受け止めている。自信やフラストレーションにもどかしさ。サマーリーグの間はそんなメンタルの戦いでもあった。
「最初のサマーリーグはあれだけ思い切りやれた部分もあって。今回、経験を積んできたので、どこまでやれるんだろうって自分に対して期待しているところからの現在地なので……」
「お前のいる場所は違うだろって」
それでも、サマーリーグに出たこと自体は後悔していない。オーストラリアよりも、GリーグよりもNBAに近い舞台だと感じられたからだ。
NBAに対する思いがぶれることもない。オーストラリアでプレーした1シーズン余は楽しかったが、あくまで目標はNBAだ。
「オーストラリアも楽しかったんですけれど、心の奥底で『お前のいる場所は違うだろ』っていうふうに言われているんですよね。NBAっていう存在があるからこそ、ここまで自分を引っ張り上げられたと思うので、正直、その目標は常にぶれることなくというところはあります」