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村田vsゴロフキンで“号泣”したワケは…天野麻菜と人気グラドル・雪平莉左が語る「リングガールのプロ意識」《特別グラビアインタビュー》 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byAtsushi Hashimoto

posted2022/06/05 11:03

村田vsゴロフキンで“号泣”したワケは…天野麻菜と人気グラドル・雪平莉左が語る「リングガールのプロ意識」《特別グラビアインタビュー》<Number Web> photograph by Atsushi Hashimoto

村田vsゴロフキン「号泣リングガール」で話題の天野麻菜(左)と、「井上vsドネア2」で初の世界戦を担当する人気グラドルの雪平莉左(右)

話題になった「村田vs.ゴロフキンでの涙」

 天野はこれまで、5試合ほど世界タイトルマッチのリングガールを担当してきた。村田vs.ゴロフキンでは、試合後に感極まって涙を見せたことが話題になっている。実は試合を見て泣いたのは2度目だ。

「3年前の村田選手の試合(ロブ・ブラントとの2戦目)でも泣いてしまって、それを話題にしていただいたことがありました。村田選手がリベンジして、会場も凄い祝福ムードで。私も思わず立ち上がってしまったんですよ。それで“あっ”と思って座り直して(苦笑)。単純に感激しました」

 天野はその時のことを「お恥ずかしい話」だと言う。リングガールの感情が周りに見えてしまうのは、あまりよくないことだと考えているのだ。

「これは私個人の考えなんですけど、リングガールというのはどちらかに勝ってほしいとか、応援するという立場ではないので。もちろん勝った選手を祝福するというのはあるんですけど、負けた選手がいることも忘れてはいけない」

 どちらかに肩入れしたり、結果に対して一喜一憂してはいけないと自分を律しているのだ。そう肝に銘じていても涙が出てしまう。村田vs.ゴロフキンはそれくらいの試合だった。

涙の理由「感情が抑えられなくなって…」

「あの時は、村田選手が負けて悔しいとか、そういう気持ちではなかったんです。あの試合はもともと去年の12月に予定されていて(コロナ禍で)延期になった。私もリングガールができるかもと思っていたので凄く残念でした。選手やスタッフのみなさんは私以上ですよね。ゴロフキン選手が日本で試合をするという機会がまたあるのかも分からなかった。

 それが4月に決まって、ついに村田選手とゴロフキン選手が試合をして……なんて言うんでしょうね、試合が終わった時に感じたのは“どうして結果が出てしまうんだろう”って。そういう気持ちで、感情が抑えられなくなっていました。それくらい心を動かすものがボクシングにはあるんでしょうね」

 世界最高峰にいる選手たちが闘い、どちらかが勝ち、どちらかが負ける。勝負というものの重さ、大きさそのものに圧倒されたということだろう。まして彼女はそれを至近距離で“浴びた”のだ。

「“あいつまた感極まってるよ”みたいになってしまうのかなとも思いました。自分が泣いて、変な形で選手よりも目立ってしまうのはやはりよくないことですから。リングガールは必要なのか、という方もいますし。でも抑えれば抑えるほど涙が出てしまって」

「リングガールは必要なのか?」という賛否両論

 リングガールの存在は賛否両論。天野のもとに届く声は“賛”が多いが、世界戦など注目度が上がると“否”の意見も出てくる。では天野自身は、この仕事をどう捉えているのだろうか。

【次ページ】 賛否両論を、リングガール本人はどう受け止めている?

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