甲子園の風BACK NUMBER

麟太郎に負けず劣らずのパワー!“100kgスラッガー”内藤鵬(3年)の可能性…中国籍の両親から授かった名前「すごく強い伝説の鳥らしくて」

posted2022/05/04 06:02

 
麟太郎に負けず劣らずのパワー!“100kgスラッガー”内藤鵬(3年)の可能性…中国籍の両親から授かった名前「すごく強い伝説の鳥らしくて」<Number Web> photograph by Fumi Sawai

佐々木麟太郎ら注目スラッガーに負けないポテンシャルを感じさせる日本航空石川・内藤鵬(3年)

text by

沢井史

沢井史Fumi Sawai

PROFILE

photograph by

Fumi Sawai

 180cm、100kg――花巻東・佐々木麟太郎ら注目を浴びる2年生の大型スラッガーたちに負けず劣らずの体格を誇るのが、日本航空石川の内藤鵬(ほう・3年)だ。

 高校入学直後からコロナ禍に置かれているが、内藤が積み上げたホームランは39本。その数字以上に目を引くのは桁外れのパワーだ。スイングスピードは驚異の161キロ。これは佐々木らと同じ2年生時に計測したものだという。

 中村隆監督は言う。

「下級生の時から上級生顔負けのスイングの強さがあって、上級生を入れてもスイングスピードはチームでナンバーワンでした。ただ、どんな状況でも当てにいくバッティングはしたことがありません。内藤の良いところは追い込まれても自分の形を崩さないところです。中学時代は軟式野球部でプレーしていて、硬式に苦労するのではないかと心配していましたが、守備ではハンドリングが柔らかく、実際は硬式にはすぐに対応できるようになりました」

昨秋にキャプテンに就任「練習姿勢も真面目」

 1年秋から背番号5をつけ、早くから中軸を打った。比較的ヤンチャ気質の選手が多いチームの中で、能力が抜きん出た内藤を“お山の大将”と見てしまう者もいるかもしれないが、実際は繊細で実直な性格だ。昨秋からはキャプテンに就任し、先頭に立とうという気持ちを前面に出し、練習でも常に大きな声を出している。指揮官は続ける。

「練習姿勢も真面目で、キャプテンらしくチームを何とかしようという姿勢をいつも見せてくれます。自分に対しても厳しくて、自分に足りないものを明確にして、そこに向けて具体的に何をしていけばいいのかをきちんと考えられる選手です」

 その“足りないもの”として、昨冬から取り組んだテーマが、“脚を速くすること”だ。下半身の弱さを課題としていた内藤が俊敏性を高めるためにつけないといけないと目を付けたのは腸腰筋。その理由を内藤はこう明かす。

「脚が上がらないのは脚が遅い人の特徴なんです。脚を上げるための筋肉が腸腰筋というところで、ここを鍛えるために脚を出来るだけ高く上げることを繰り返すとか、20mの塁間ダッシュとか、色んなトレーニングをやってきました。お陰でこの春以降は体にキレが出て少し速くなったような気がします」

 だが、その心意気が、予想外の事態を引き起こしてしまう。

【次ページ】 真面目な姿勢が引き起こしたケガ

1 2 3 4 NEXT
#日本航空石川高校
#内藤鵬
#佐々木麟太郎
#マーガード真偉輝キアン

高校野球の前後の記事

ページトップ