2021年M-1・全員インタビューBACK NUMBER

“さそり座の女”モグライダーがいま明かすM-1出番直前の“鼻血事件”「(血を出しながら)ネタ合わせ、やる?」「するわけねーだろ」

posted2022/03/13 17:00

 
“さそり座の女”モグライダーがいま明かすM-1出番直前の“鼻血事件”「(血を出しながら)ネタ合わせ、やる?」「するわけねーだろ」<Number Web> photograph by Shiro Miyake

結成12年でM-1決勝初出場となったモグライダー。芝大輔(ツッコミ担当、38歳、左)とともしげ(ボケ担当、39歳)。ウッチャンナンチャン、出川哲朗、ナイツらと同じマセキ芸能社所属

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中村計

中村計Kei Nakamura

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Shiro Miyake

50歳と43歳の錦鯉――史上最年長のチャンピオンが誕生した2021年のM-1。ファイナリスト10組中5組が初登場、さらに“非吉本”が5組という異例の大会だった。出場した漫才師たちのインタビューから、あの“12月19日”の舞台ウラに迫る。

「いいえ私はさそり座の女♪」美川憲一『さそり座の女』のネタを披露したモグライダー。トップバッター歴代最高点(637点)をマークした。しかしその本番直前にちょっとした“事件”が起きていたと明かす(全3回の1回目/#2#3へ)。

TAIGAさん「ぺこぱに送ったメッセージをお前らにも送る」

――ファイナリストの方々は、だいたい笑神籤(えみくじ)の一発目を引く瞬間が緊張のピークだと言いますが、そのピークで、実際に自分たちの順番を引き当てられてしまったときの心境というのは、どういうものなのでしょうか。

芝大輔 引かれる瞬間、「こい、こい」って、口に出して言ってたんです。でも、いきなり僕らの名前が出たときは、正直、「うわっ、嫌だな」って思っちゃいましたね。優勝をねらいにいっていたので優勝しづらい順番だな、と。トップバッターだと、最終決戦に残れてもギリギリ3位かな、とか。それぐらいのことは過ぎりました。

――「こい、こい」とは思っていても、やはり、なかなか「よっしゃ、きた!」とはならないものなのでしょうね。

 事務所は違うんですけど、サンミュージックのTAIGAさんにお世話になっていまして。ピン芸人で、ぺこぱの師匠のような方なんです。決勝の前々日ぐらいに「(2019年の)決勝前、ぺこぱに送ったメッセージをお前らにも送るから」って、メールが来たんです。まず、順番はトップバッターをやらせろというぐらいの気持ちでいなさい、と。あと、他の人がウケてたらもっとウケろと思いなさい、そして、自分たちはそれよりもウケてやると思いなさい、と。それから、爪痕を残そうとかじゃなくて、本気で優勝をねらいにいきなさい、とも書かれていました。ま、誰が言ってんだって、ツッコみたくなる話ではあるんですけど。TAIGAさんがR-1ぐらんぷりの決勝に出たとき、こうしておけばよかったと、ものすごく後悔したらしいんです。それを読んで、ぺこぱも結果を出してるので、僕らもそのメッセージをそのまま実践しました。

――2年前、ぺこぱさんも確かにその話をしていました。本当にトップになって、気持ちはすぐに切り替えられたのですか。

 一緒に待機していた他のコンビたちがワーッて盛り上がったんですよ。行ってこい、と。その声でギアが入りましたね。そらそうだよな、やるしかないもんな、って。俺らで始まるんだったら、それはそれでいいじゃんと。そっからは、思い切り楽しんでやろうという方向に持っていけましたね。

「こいつが鼻血を出していたんですよ」

――ゆにばーすの川瀬(名人)さんが「優勝の条件はモグライダーがトップを引くこと。(いい順番なら)モグライダーが優勝すると思っていたので」と話すほど、周りの芸人はモグライダーの順番を気にしていました。笑神籤が導入されて以来、あんなに周りをざわつかせたトップバッターはいなかったんじゃないですか。

【次ページ】 「こいつが鼻血を出していたんですよ」

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