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南野拓実に出番なしもリバプールが今季初タイトルを獲得! 「国内第2」のカップ戦決勝が「120分間、立ちっぱなし」の極上の一戦になった理由 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2022/03/03 17:01

南野拓実に出番なしもリバプールが今季初タイトルを獲得! 「国内第2」のカップ戦決勝が「120分間、立ちっぱなし」の極上の一戦になった理由<Number Web> photograph by Getty Images

死闘の末にチェルシーを下したリバプールが9度目のカップウイナーに。両チームの質の高い攻防は決勝に相応しいものだった

ルイス・ディアスは加入後1カ月とは思えないフィットぶり

 前半30分、至近距離から蹴り込もうとしたサディオ・マネのシュートはメンディが起死回生の反応。モハメド・サラーが無人のゴールに放り込んだかに思われた64分の場面では、鋭い読みと高い集中力で勝負するチアゴ・シウバがライン上でクリアした。左サイドから幾度となく襲いかかってきたルイス・ディアスは、加入後1カ月とは思えないチームへのフィットぶりを示した。

 ディアス1人への対処に、右ウイングバックのセサル・アスピリクエタが、3バック右ストッパーのトレボ・チャロバーと中盤中央のエンゴロ・カンテの援護を必要とする場面も見られたほどだ。ディアスは試合を重ねるに連れて、76分にメンディにセーブを強いたチャンスのように、自らゴールを狙う頻度も増していくに違いない。

 トゥヘルはベンチワークでも先手を打った。2枚替えでルカクが投入されたのは74分。延長戦前半にスルーパスに走り込んで決めたゴールは、リプレーを見てもVARによるオフサイド判定は微妙だ。ただし、重箱の隅を突くようなビデオ判定によるゴール取り消しはリバプールも同様。FKの流れからジョエル・マティプが頭で押し込んだ67分の一撃が、ファンダイクがオフサイドの位置で相手DFを妨害したとみなされた判定は酷だった。

 幻のゴールも含め、甲乙つけがたい好ゲームとは、この一戦のことだ。

2005年の決勝対決とは異質のレベル

 90分間では決着がつかなかった点は同じであるが、決勝での初対決となった2005年2月の顔合わせとは全く異質のレベル。新ウェンブリー建設中にカーディフで行われたリーグカップ決勝は、主要大会決勝での両クラブの初対決で、ラファエル・ベニテスとの新監督対決を延長戦での2得点で制したジョゼ・モウリーニョのチェルシーが、タイトル第1号を手にした一戦でもあった。

 だが、あの一戦で真っ先に思い出すのは、スティーブン・ジェラードがヘディングでのクリアを誤って同点のオウンゴールを記録した直後に起こった、チェルシーファンによる後味の悪いチャントだ。

 誰もが認めるリバプールのレジェンドに対しては、17年後の今回もキックオフから5分足らずのとき、ウェンブリーの“青コーナー”からリーグ優勝争い脱落を招いたプレミア対決での転倒とロストボールを茶化すチャントが沸き起こった。

【次ページ】 スタンドには青と黄色のウクライナカラーも

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