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《J3降格、契約満了、40歳》引退覚悟も…元日本代表10番・山瀬功治がJ2山口に入団できた理由「絶対に外しちゃいけない」と語ったものとは
posted2022/02/19 11:03
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
RENOFA YAMAGUCHI FC
40歳、J3降格、契約満了……。
試合に出ていても、さすがに今回ばかりは現役引退を覚悟せざるを得なかった。愛媛FCの降格に伴って契約更新に至らなかったベテラン山瀬功治には2021年が終わるタイミングでもオファーは届かなかった。
「長期化する可能性が高いだろうなと思っていました。いや、何だったら(移籍先が)見つからない可能性のほうが高いんじゃないかって」
3年前、アビスパ福岡と契約満了になって愛媛に入団したのも2月に入ってから。チームが始動して編成が固まっているこの時期にJクラブからオファーが届くケースはほとんどない。現実が甘くないことは身をもって経験している。「長期化」にピリオドがないことも想定しておかなければならなかった。
そんな矢先、一本の連絡が届いた。
2つの“幸運”があった
1月3日だった。代理人を通じてJ2のレノファ山口から獲得に興味があることを伝えられた。事はトントンと運んでいく。その翌々日には正式オファーが届き、受諾後に愛媛から山口入りして8日のチーム始動に合流するという嬉しいバタバタぶり。正式オファーからわずか数日で新しいチームのユニフォームを着てボールを蹴っているとは夢にも思っていなかった。
ここに2つの“幸運”があった。
1つは、愛媛の昨季最終戦が山口との対戦だったこと。山瀬の好パフォーマンスにレノファ側が好印象を抱き、チーム編成の最終段階になって獲得にGOサインが出た。そしてもう1つは、名塚善寛監督とのつながり。山瀬が北海高からコンサドーレ札幌に入団した2000年、名塚はチームでキャプテンを務めてJ1昇格を果たしている。
オファー後には一度オンラインで石原正康GM、そして大先輩である名塚監督と面談をして、直にメッセージを伝えられた。