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高梨沙羅16歳「1mでも先へ飛びたい」「浅田真央さんの考え方が参考に…」 “素朴で文武両道な女王”が語ったジャンプへの愛

posted2022/02/13 06:00

 
高梨沙羅16歳「1mでも先へ飛びたい」「浅田真央さんの考え方が参考に…」 “素朴で文武両道な女王”が語ったジャンプへの愛<Number Web> photograph by Stanko Gruden/Agence Zoom,Getty Images

2012年の高梨沙羅。10代からW杯で勝利を積み重ねる偉大なジャンパーだ

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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Stanko Gruden/Agence Zoom,Getty Images

北京五輪スキージャンプ混合、高梨沙羅はスーツ規定違反で失格という悲劇を味わいながら、2回目で大ジャンプを見せて日本の4位入賞に貢献しました。そんな彼女が16歳時に競技への思いを語ったインタビュー記事を無料公開します《初出:Sports Graphic Number 2013/3/30臨時増刊号(2013年3月23日発売)、肩書きなどすべて当時》

 小柄で物静かな少女は、ジャンプ台で誰よりも遠くへ飛ぶ女王へと姿を変える。女子ジャンプの今季ワールドカップで総合優勝。16歳は今、何を思うのか。

 ◇ ◇ ◇

 どこまで飛んでいくのだろう。

 他の選手と比べてもひときわ小柄な152cmの体が、ぽんと踏み切ると高い曲線を描き、長い滞空時間の末に降りていくさまは、まさに飛んでいるかのようだ。

 次元が違う、とも思える大ジャンプを何度も何度も披露し、そのたびに歓声で沸かせたシーズンを、高校1年生、16歳の高梨沙羅はこう表す。

「あっという間でした」

 少し笑顔を見せると、言葉を続けた。

W杯総合優勝を果たして「びっくりするくらい」

「今までのシーズンより短く感じました。ずっと遠征続きだったこともありますし、やっぱり成績がよかったことがあると思います。成績がよくないと、いろいろ考えてしまう時間が長く感じるけれど、自分でもびっくりするくらいのシーズンだったと思います」

 快進撃は、昨年11月から始まった。自身、2度目の優勝を飾ると、今年2月、リュブノ(スロベニア)での個人第14戦目で2大会を残し、早々に総合優勝を決めた。その間の優勝はじつに8度を数え、表彰台に上らなかったのはわずか3度のみという抜群の安定感も印象的だった。

 さらに世界ジュニア選手権では2大会連続の金メダルを獲得。先月行なわれたイタリアの世界選手権でも個人で銀メダル、ミックス団体ではチームに大きなリードをもたらす大ジャンプを2つ並べ、金メダルを手にした。

 その活躍を、ただ今シーズンの飛躍とするだけでは言葉が足りないかもしれない。

 高梨は1996年、北海道上川町に生まれた。長野五輪ジャンプ団体金メダリストの原田雅彦の出身地である。

 冬にはマイナス20度を下回ることもある厳寒の地で、元ジャンパーだった父の指導のもと、小学2年生でジャンプを始めた。

【次ページ】 大ジャンプを連発する高梨が持ち得ている技術とは?

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