フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER

全日本選手権の“失望”を乗り越えて…アイスダンス村元&高橋が明かした“来シーズンへの本音”「まだ違う景色を見てみたい」

posted2022/01/29 17:03

 
全日本選手権の“失望”を乗り越えて…アイスダンス村元&高橋が明かした“来シーズンへの本音”「まだ違う景色を見てみたい」<Number Web> photograph by Getty Images

四大陸選手権にて日本勢として初の銀メダルを獲得した村元哉中・高橋大輔組

text by

田村明子

田村明子Akiko Tamura

PROFILE

photograph by

Getty Images

 エストニアのタリンで開催された四大陸選手権で、村元哉中と高橋大輔が日本のアイスダンスチームとして過去最高の銀メダルを手にし、新たな歴史を刻んだ。

 北京オリンピック直前とあって、世界のトップの組は出場しなかった。それでも他の9組のほとんどがアイスダンスを始めて10年以上の経験がある中、結成わずか2年にしてこの結果を出したというのは、やはり通常では考えられない奇跡のようだ。

「2位になって本当に嬉しいです。新しい歴史を作ることができました。アイスダンサーとして、ダイスケと一緒に演技ができるのは特別なこと。まだこれは始まりです」

 会見で村元は、英語でそう感想を述べた。

 だが喜びの中に、反省もあった。リズムダンスの冒頭で、村元があげた脚に高橋の肩が当たり、村元が転倒というアクシデントが起きたのだ。

 緊張したのかと聞くと「ほどよい緊張はしていたのですけど、こんなミスをするような緊張とは思わなかったです」と高橋。

 原因は、お互いのタイミングだったという。

「ちょっとぼくが一瞬出遅れてしまった。お互い逆方向に行くところがあるので、かなちゃんの足が下がってしまって」と説明する。

「今日は僕のミス。いま滅茶苦茶へこんでいて……」そう高橋が言うと、村元が即座に「いやいや」と否定して高橋を庇った。

「これは経験の問題です」とマリナ・ズエワコーチは説明する。

「アイスダンスというのは、何回やっても全く同じように滑らないといけない。カナはもうだいぶ経験を積んでいますが、ダイスケにはもっと時間が必要です」

 だが全日本の時のミスと違ったのは、まだ技に入る前だったこと。幸い減点は最小限で済み、リズムダンスから2位に立つことができた。

全日本選手権の失望を乗り越えて

 全日本選手権では実力が発揮できず、北京オリンピックの代表を逃した。

「全日本からここに来るまで、自信を立て直すことに集中してやってきました」と村元。

「ここでは表彰台を目指したいというのは、大きな目標でした。でもマリナに、公式練習の後でこの試合は自分たちの成長を感じるための試合だからね、と言われて、『そっか』と気持ちの面でも切り替わったんです」と説明する。

 この四大陸選手権は大会としてはGPシリーズよりも格が高く、世界選手権や欧州選手権と同じISUチャンピオンシップである。ここでの2位は自信につながったのだろうか。高橋は、自分の気持ちを率直に言葉にした。

【次ページ】 来季以降の活動への“高橋の本音”は?

1 2 3 NEXT
村元哉中
高橋大輔
マイケル・パーソンズ
カロライン・グリーン
アンソニー・ポノマレンコ

フィギュアスケートの前後の記事

ページトップ