那須川天心vs武尊に触発？ 井上尚弥が井岡一翔にまさかのラブコール…“神の左”山中慎介は「実現すればとてつもない試合に」

　バンタム級2冠王者の井上尚弥（大橋）が、日本人初の4階級制覇王者・井岡一翔（志成）とのビッグマッチをぶち上げた。1階級下の井岡にラブコールとは少し唐突な印象も与えるが、2人は世界の軽量級を代表するチャンピオン同士。もし実現すれば近年まれにみるビッグファイトとなるのは間違いない。

　なぜ、井上は井岡戦を希望するのか。はたして実現の可能性はあるのか？　“軽量級スーパースター対決”について考えてみた。

昨年12月14日のアラン・ディパエン戦後、WBAとIBFのベルトを肩にかけリングを降りる井上　©PXB PARTNERS

すべての写真を見る（17枚）

自ら井岡一翔との対戦に言及した井上尚弥

　井上が井岡の胸元に直球を投げ込んだのは1月14日のこと。後楽園ホールで開催されたWOWOWのボクシング番組「エキサイトマッチ」の30周年記念イベント出演を終え、集まったメディアの取材に応じた時だった。

　記者とのやり取りが流れて、キックボクシングのスター対決、那須川天心と武尊の試合が決まったことに話題が及ぶと、井上は「ファンが見たいカードが決まった時の雰囲気だったり、異様な空気を醸し出す試合の一つになるんだと思う。自分もそういう試合をやっていきたい」と感想を述べ、次のように続けた。

「自分もキャリアの後半に入るし、5階級制覇を狙うというコメントにも期待しつつ、それを頭に入れて発言していってもいいのかなと。自分がチャンピオンになってから、この戦いもファンの中でひそかに楽しみという声も聞く。盛り上がるのであればアリかなと。バンタム級にいる間にそういう流れになればそれもいいと思う。話があれば、ですけど」

　5階級制覇を狙う日本人選手といえば井岡しかいない。日本ボクシング史上初の世界4階級制覇チャンピオンであり、現在は井上の一つ下、スーパーフライ級でWBOのベルトを腰に巻く。そんな井岡との対戦の可能性を報道陣が聞いたわけでもないのに、井上が自ら話を切り出したのだから驚いた。

【次ページ】　大橋秀行会長「ロマゴンよりも井岡のほうが強い」