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藤井聡太竜王がドキドキ気味なのをフォローする羽生善治九段が優しい… 観る将マンガ家が描く《将棋ハイライト/12月》

posted2022/01/06 11:01

 
藤井聡太竜王がドキドキ気味なのをフォローする羽生善治九段が優しい… 観る将マンガ家が描く《将棋ハイライト/12月》<Number Web> photograph by Junsei Chida(illustration)

観る将マンガ家・千田先生が描いた「12月の将棋ハイライト」。2021年のイラストは関連記事からもご覧になれます!

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千田純生

千田純生JUNSEI CHIDA

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Junsei Chida(illustration)

藤井聡太竜王の誕生や史上最年少四冠を筆頭に、将棋界は様々な話題にあふれていました。そこで夫婦ともども“観る将”になったというマンガ家の千田純生先生に「ファン目線での将棋ハイライト」を描いてもらいました!

(1)クリスマスイブ、日付越えの激闘など「12月のハイライト」

 藤井聡太四冠は竜王誕生のイベントで、順位戦の翌日に指宿へと旅立って砂蒸し風呂に入ったり、対局以外でもお忙しそうでしたが……トップ棋士のハードな戦いは続いています。

 その最たるものは、竜王戦1組ランキング戦でしょう。トーナメント初戦で渡辺明名人vs豊島将之九段……。高校サッカーなら青森山田vs東福岡、甲子園なら大阪桐蔭vs横浜みたいな「え、いきなり対戦しちゃうの!?」という組み合わせになったわけですが、その対局内容が凄まじかったんです。

 12月24日の朝10時に豊島九段の先手番で角換わりでスタートした一局は、渡辺名人がやや優位だったようなんですが……。そこから両者の玉が上部にいって、最終的には215手で持将棋(※双方の王将が入玉して勝負がつかず、既定の駒数を保持すると引き分けになる)が成立しました。

 この時点で日付が変わる手前の23時台、つまり指し直しでクリスマスイブ越え確定でした。編集担当さんに「指し直し局を可能な限り見届けます」とLINEしたら反応なし。すると午前2時過ぎになって「ガチで寝落ちしてました……でもまだ対局してますね……」と返信が(笑)。結局、終局は午前3時手前。渡辺名人に軍配が上がりましたが、2人(や記録係に観戦記者、解説の近藤誠也七段)の凄まじい精神力に改めて敬意を払いたいと思います。

 そういえば、2020年のクリスマスイブも順位戦B級1組で木村一基九段と行方尚史九段が千日手の末に25日の3時43分まで対局してましたね。将棋の神様が聖夜に、ファンに対してサービスしてくれてるのか? と思いたくなるほどです……。

渡辺名人、弟子を持つことに興味が?

 女流棋士の戦いで注目し続けたのは「ABEMA女流トーナメント」。最後の最後まで見どころだらけでした。準決勝のチーム西山vsチーム里見では、フルセットになった末に里見香奈女流五冠(※対局時は四冠)と西山朋佳二冠(※同じく三冠)のリーダー対決が実現し、西山二冠に軍配が上がりました。

 この時点でマンガみたいな展開で胸熱だったわけですが、決勝では加藤桃子清麗が今大会負けなしだった西山二冠に勝利! 連敗スタートのチーム加藤に勢いをつけようとの気合が凄く、そのまま優勝を飾った姿が鮮烈でした。あと、チーム伊藤(伊藤沙恵女流三段)の監督を務めた屋敷伸之九段が、たこ焼きを作って「まあるくな~れ!」と言っている姿も別の意味で鮮烈でした(笑)。

 チーム加藤を監督として率いたのは渡辺名人ですが、決勝で弟子を持つことへの興味を匂わせていました。

【次ページ】 イラスト2:藤井&羽生、豊島&永瀬……豪華すぎるツーショット

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