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売上高2.5倍も「スターダムをもっと広めたい!」岩谷麻優、林下詩美らトップ選手が“晴れ着”で語った“2022年への野望”とは? 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byMasashi Hara

posted2021/12/30 17:06

売上高2.5倍も「スターダムをもっと広めたい!」岩谷麻優、林下詩美らトップ選手が“晴れ着”で語った“2022年への野望”とは?<Number Web> photograph by Masashi Hara

お正月特番に晴れ着で出演した選手たち。左から中野たむ、ジュリア、岩谷麻優、林下詩美、スターライト・キッド

選手たちに「どこで試合をしたいか」聞いてみると…?

 戦略発表会では、まだスターダムが興行を開催していない県に進出するプランも明かされた。そのプランに入っていない県でも「何かしらイベントのようなものができたら」という。木谷からは「沖縄にも団体ありましたよね?」という言葉もあった。地方の団体でスターダム提供試合を行ない、その地域で興行を開催する足がかりにしようというのだ。

 地方進出は、選手たちにとっても念願と言っていい。どんな会場で試合をしてみたいかを聞くと、まず出てきたのが「東京ドーム」。新日本プロレスでのスターダム提供試合でドームを体感し「私たちもここで大会がしたい」という思いが芽生えたのだ。海外進出も“アフターコロナ”のテーマになる。

 と同時に「全国ツアーじゃないですけど。まだ行ったことがない場所で試合がしたい」と語ったのはスターライト・キッド。

 林下詩美は「生まれ故郷の奄美大島か鹿児島でやれたらいいですね。凱旋興行がしたい」。またジュリアは「今あまりできていない会場でも試合がしたい」と言う。たとえば新木場1stRINGであり横浜ラジアントホール。キャパ200人、300人というクラスの会場で、今のスターダムでは手狭になっている。

「そういう会場にも思い出があるので。回数は少なくても、たまにはそういうところに戻ってみたい」(ジュリア)

 なお“スターダムのアイコン”岩谷麻優は会場がどこか、大きいか小さいかを気にしたことがないという。場所によって試合への気持ちが変わることはないから、と。

「だからメインで勝ってマイクで締める時、会場とかその土地の名前が分からなかったりするんですけど(笑)」

“12時間”の正月特番「スターダムをもっと広めたい」

 選手たちにコメント取材をしたのは、お正月番組『あけましてスターダム!』(TOKYO MX)の収録現場。1月1日から2日にかけて、12時間の特番である。この番組自体も、スターダム躍進の証明だろう。林下、中野たむ、スターライト・キッド、ジュリア、岩谷は晴れ着姿での出演。岩谷と林下は、着物は「プロレス大賞の授賞式以来」だそうだ。トップレスラーらしい「以来」だろう。

「12時間の特番をやれるというのも、団体が大きくなったからですよね」と岩谷。「お正月はほとんどの人がテレビを見ていると思うので、私たちと一緒に過ごしてほしい」とたむ。選手たちに共通するのは「スターダムをもっと広めたい」という目標だ。大会場も地方大会もテレビ番組も、すべてはそのため。プロレスを知らない人でも、見てくれたら好きにさせる自信がある。

 テレビ出演などで「(プロレスファン以外の層が)選手を偶然見る、という機会を増やしたい」と木谷は言う。女子プロレスは女性ファンにこそアピールできるという考えも持っている。木谷曰く「女子プロレス界はブルーオーシャン」。2022年も、スターダムは次々と新たな手を打ってきそうだ。このままいけば独走状態。だが他団体がうまく対抗していけば、さらなる活況も不可能ではないだろう。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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