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格闘技PRESSBACK NUMBER
大山倍達の「一撃」継承なるか “ブラックパンサー”ベイノアが念願の大晦日RIZIN参戦、狙うは「極真空手の異種格闘技戦」
posted2021/12/28 17:04
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph by
RIZIN FF
昨年12月31日、“ブラックパンサー”ベイノアは東京都板橋区成増の自室でベッドに横たわりながらRIZINを観ていた。
数日前まで、いつRIZINからオファーがあるかわからない状況が続いていたので、ベイノアは調整を欠かさなかった。クリスマスも練習三昧だった。
しかし、12月25日を過ぎても、吉報を伝える電話は来なかった。
「さすがにもうないか……」
年越しのカウントダウンが進むにつれ、ベイノアは途方に暮れた。
「いったん、自分がファイターであることは忘れよう。一介のファンとしてRIZINを楽しもう」
そう決心したが、年越しソバは涙の味がした。それから1年、ベイノアはRIZINの出場者発表記者会見にいた。今年6月にRIZINでMMAファイターとしてデビュー以来、その人を惹きつける闘いぶりが認められ、大晦日に出場できることになったのだ。
念願の大晦日オファーも「ドッキリじゃないか?」
ベイノアは冗談交じりに喜びを口にした。
「ここ数年、大晦日近くになると僕はずっと出たいと言っていましたからね。繰り返し、繰り返し言っていると、途中からなぜ自分がそこまで大晦日にこだわっているのかもわからなくなってくる(笑)」
ただ、ベイノアにはお笑い芸人という別の一面があり、ホームであるRISEでもリング外では“いじられキャラ”として愛されている。だからこそ今回の大晦日の出場オファーも、当初は「ドッキリではないか」と疑ったと打ち明ける。
「本当なのか、それともイジられているだけなのか……。僕の場合、後者もありますからね。“ガチ”でよかった(笑)。大晦日出場を諦めないで、本当によかった」
ベイノアに対するRIZINサイドの期待値が高い証左なのだろうか、6月の東京ドームでのMMAデビュー戦以来、イージーな対戦相手とは一度も当たっていない。好意的に解釈すれば『ベイノア、試練の○番勝負』を企画されているかのようだ。
「1戦目の弥益ドミネーター聡志はDEEPの元フェザー級王者、2戦目のロクク・ダリはGLANDのウェルター級王者。そして今回の武田光司はDEEPの現ライト級王者。みんなチャンピオン。正直『僕、まだ3戦目なんですけど……』という感じもあるんですけどね」