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《方正ビンタでおなじみ》蝶野正洋が明かす『大晦日ガキ使』収録の知られざるウラ側「俺が一番『笑ってはいけない』なんだよ(笑)」 

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堀江ガンツ

堀江ガンツGantz Horie

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2021/12/31 11:11

《方正ビンタでおなじみ》蝶野正洋が明かす『大晦日ガキ使』収録の知られざるウラ側「俺が一番『笑ってはいけない』なんだよ(笑)」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

毎年大晦日の恒例となっていた、「笑ってはいけない」での蝶野正洋のビンタ。放送を休止した今年、その裏側を語ってもらった。

スタッフの謝罪「もうグーでぶん殴ってやってください」

――自動的に電源落とされちゃったんですか?(笑)

蝶野 急に真っ暗になっちゃったから、その時はみんな演出だと思って1~2分間くらい誰もしゃべらずに黙ってるわけ。そしたら上のほうから「すいませーん! 停電です!」っていうスタッフの声が聞こえてきて、プロデューサーの人が「てめえ、ふざけんなコノヤロー!」って怒り始めちゃってね。俺と方正くんは向かい合ったままの状態だったんだけど、「照明がつくまでもう20分くらいかかりますんで待機してください」って言われたんで、一旦離れてね。

――大人気バラエティ番組での停電というのは昭和の『8時だョ!全員集合』が有名ですけど、『笑ってはいけないシリーズ』でもあったんですね。

蝶野 それで俺は喫煙所でタバコ吸いながら待ってたんだけど、しばらくしたらプロデューサーの人が来て、「蝶野さん、すみませんでした。気分を害しちゃったと思うので、もうグーでぶん殴ってやってください」って言われて、「いやいや、彼にはまったく関係ないから」って(笑)。

――スタッフの不手際の責任をなぜか方正さんが取る形でグーパンチ制裁(笑)。

蝶野 こっちも「なに言ってるんだ、この人たち!?」と思って(笑)。結局、ふつうにビンタしたんだけど、そのあとも1時間置きに電源が落ちちゃって、収録が朝方までかかってさ。長いことやってると、けっこうそういうバタバタ劇もあったよね。

蝶野「『笑ってはいけない』には感謝してます」

――今年はようやく、そういったことから解放されたわけですね。

蝶野 ホントに、こんなに穏やかな気持ちで正月を迎えるなんて何十年ぶりだろうって思うよ。新日本が真夏にやってる「G1クライマックス」を卒業したときも、ホッとしたからね。俺は夏のG1がすごく嫌いだったんだよ。高校の部活の夏合宿みたいに、暑い中きついことやらされてさ。いい歳こいて夏に絞られるのが嫌だから早くG1卒業したいと思ってたんだよ。

――「ミスターG1」とか「夏男」と言われてたのに、夏もG1も嫌いだったという(笑)。

蝶野 それでG1に関しては2007年くらいに卒業して、「やっとG1が終わったな……あっでも、年末のビンタがまだあったか」って感じだったから、ようやくケリがついて良かったなと思ってね(笑)。

 ただ、「G1」や「笑ってはいけないシリーズ」があったからこそ、今の自分があることもたしかなんで。「G1」はプロレス界でのステータスだし、「笑ってはいけない」は、一般層への知名度という点で、すごく大きかったので、感謝してます。でも、あんなキツいのはしばらくもういいかな(笑)。

#2に続く
「杖が2本ないとつらい」“黒のカリスマ”蝶野正洋(58)が治療を行う現在を告白…“人前で杖は恥ずかしい”と思わなくなった深いワケ

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