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ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
《方正ビンタでおなじみ》蝶野正洋が明かす『大晦日ガキ使』収録の知られざるウラ側「俺が一番『笑ってはいけない』なんだよ(笑)」
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![堀江ガンツ](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/c/f/-/img_cf6f3d2230a6b4d3da64f33e4cc4484d5436.jpg)
堀江ガンツGantz Horie
photograph byKiichi Matsumoto
posted2021/12/31 11:11
![《方正ビンタでおなじみ》蝶野正洋が明かす『大晦日ガキ使』収録の知られざるウラ側「俺が一番『笑ってはいけない』なんだよ(笑)」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/0/700/img_60405c9f138b106b5e16e4f101f8b6d7371983.jpg)
毎年大晦日の恒例となっていた、「笑ってはいけない」での蝶野正洋のビンタ。放送を休止した今年、その裏側を語ってもらった。
「俺がいちばん『笑ってはいけない』なんだよ(笑)」
――今では知られるようになりましたけど、じつは蝶野さんは笑い上戸ですもんね(笑)。
蝶野 俺がいちばん「笑ってはいけない」なんだよ(笑)。最初はそれもよくわかってなくて、2回目くらいのときに長州(力)さんに、巡業バスかどこかで「お前、あそこは絶対に笑っちゃダメだぞ」って真面目な顔で言われてね。
――お笑い好きの長州さんからそんな指導が入りましたか(笑)。
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蝶野 俺、長州さんからダメ出し喰らったのが初めてで、試合内容とかでも言われたことがないのに(笑)。だから、そこからは絶対に笑わないようにして、方正くんを怖がらせることでみんなを笑わせるんだって気づいたのは、3回目か4回目くらいからですよ。
――ビンタが恒例になった陰に、長州さんのアドバイスがあったんですね(笑)。それ以降は、自分が求められているシチュエーションもわかってきて。
蝶野 でも、内容がわかってるとかえって難しい。現場に行くまでにいろいろ頭で考えちゃってね。実際は出たとこ勝負でリハーサルもないから、向こうがどういう反応をするのかわからないわけよ。俺が思った反応をしなかったりもするし、「こう来たらこうなる」とか考えても、その通りになんない。だからプロレスと一緒で出たとこ勝負というか。
――蝶野正洋vs月亭方正は、アドリブ性の高いプロレスだ、と。
蝶野 俺がプロレスと一緒でポッとアクションを出したとき、方正くんがまったく反応しないときもあるわけ。向こうは寝てなくて疲れてるから、スルーして終わろうとしてるときもあるし。そのへんは結構アバウトにやってましたよ。
月亭方正の胸ぐらをつかんだところで…まさかのアクシデント
――一歩間違えたら試合が成立しないこともある、それこそ昭和のプロレスみたいな感じだったんですね。
蝶野 ここ何年かでスタッフが替わってからは、だいぶ作り込むようになってきたんだけど、最初の頃はアクシデントの連続だし、撮影だって平気で4~5時間くらい遅れるの。茨城空港でやったときは、24時半には撤収しなきゃいけないから、俺らの撮りは22時ごろだって言われてたんだけど、収録が押して24時すぎになっちゃったんだよ。
――もう撤収ギリギリですね。
蝶野 それで本番が始まって、俺が舞台の上から方正くんに「お前、名前はなんて言うんだ!」って聞いたら、方正じゃなくて「ホセです」ってウソをついてごまかしたんで、「てめえ、上がってこい!」って言って胸ぐらをつかんだところで24時半になって、空港の照明が停電しちゃったの。