ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
《ノア1・1武道館》武藤敬司&ファンキー加藤が“プロレス愛”を語り尽くす!「ちゃんちゃんこの代わりに赤いベルトが欲しいんだよ」
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byGantz Horie/MUTO OFFICE
posted2021/12/30 17:08
プロレスリングノア1・1武道館大会を前に実現した武藤敬司と“大のプロレスファン”ファンキー加藤対談
武藤「武道館はやっぱり怖い会場」
――ノアはそんな世の中に元気を発信するという意味も込めて、元日という特別な日に日本武道館大会を開催するわけですよね。
加藤 元日に武道館でやるってすごいですよね。インパクトありますよ。武藤さんは、武道館という会場に対して好き、嫌いはあるんですか?
武藤 武道館はそこそこデカいから、俺が全日本の社長時代に集客に苦戦した印象が強くて、やっぱり怖い会場だなっていう感覚はあるよ。
加藤 レスラーとしてではなく、経営者として苦手意識があった、と。試合をやる上ではどうですか?
武藤 試合はやりやすいと思うよ。武道館ってデカいわりに観やすいって言われてるんだよね。お客さんが観やすいってことは反応が起こりやすいから、選手たちもやりやすいんだよ。横浜アリーナなんかは意外とやりづらいからね。
加藤 あっ、横アリはライブも難しいですよ。
武藤 ライブもそうなんだ。武道館は?
加藤 武道館はライブをするには最高ですね。大きな会場なのにすり鉢状になってるから、スタンドの1階席、2階席のお客さんも近いんで、歌っていても気持ちいい会場なんですよ。でも、同じくらいの人数が入る横浜アリーナや代々木第一体育館とかは、横に長いんで奥の方のお客さんとはすごく距離があるんです。
武藤 その辺はプロレスと一緒だね。
大会テーマソングに込めた“細かすぎる”プロレス愛
――今回の1・1日本武道館では、加藤さんが『VOYAGE』という大会テーマソングを作られて、非常に評判がいいですよね。
加藤 評判いいと聞いてるんで、ホント良かったです。とにかく今回は、プロレスファンに「おっ!」と思われることを考えて作ったので(笑)
武藤 プロレスのワードが出てくるんですか?
加藤 そうなんですよ。プロレスに興味がない人たちにはいわゆる応援ソングとして聴こえるんですけど、プロレスを知ってる人には「あれ、このワードって……?」って思うような言葉をうまく忍ばせてるんですね。
武藤 どんな言葉が入ってるの?
加藤 たとえば、三沢さんがZERO-ONEの旗揚げ戦で、橋本真也さんや小川直也さんに対して言った、「お前らの思う通りにはしねえよ、絶対」っていうのがあるんですよ。
武藤 憶えてるよ。俺、あのとき解説席にいたから。
加藤 あのワードをそのままラップのなかに一瞬ポンと入れて、MVで僕が一瞬、指で額の汗を拭う三沢さんムーブをするんですよ(笑)
武藤 マジかよ。細かいね(笑)
加藤 そういう細かいことをまぶしてみましたね。
武藤 これがノアファンにかぎらず、新日本のファンとか、プロレス界全体に響き渡ったらいいよな。
加藤 ホントはそれが一番なんですけど、今回はだいぶノアに寄せてるので(笑)。そこはしっかり「ノアのテーマソング」という形で作らせていただきました。
武藤 今からさ、「新日本のテーマソングを作って」って言われたらどうする?
加藤 それはまた……一回持ち帰りますよ! ここでイエスともノーとも言わないですよ。一回持ち帰ります!(笑)
――武藤さんはさりげなく踏み絵を迫るような、危険な仕掛けをしてきますからね(笑)
加藤 ホントにねえ! いきなりシュートで来るから怖いわ(笑)