メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
“60歳超え指揮官”たちが続々再登板 データ偏重のMLBで「オールドスクール」が評価されるワケ《シャーザーも熱望》
posted2021/12/31 17:02
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
AFLO
2016年を最後に、過去5年間ポストシーズンから遠ざかっているメッツが、新監督としてバック・ショーウォルター氏(65)を招聘した。ヤンキースをはじめ、ダイヤモンドバックス、レンジャーズ、オリオールズで通算20年間、指揮を執り、過去3回の最優秀監督賞に選出されたベテラン監督に、チーム再建の舵取りを任せることになった。
1969年の創設以来、初の世界一を目指すパドレスは、今オフ、21年までアスレチックスを率いたボブ・メルビン氏(60)を新監督として迎えた。アスレチックス側の承諾を得ていたとはいえ、現職の他球団監督を「引き抜き」という異例の手段で招いたのも、若いチームの統率者として同氏の手腕を必要としたからだった。
過去3年間、現場を離れ、解説者などを務めていたショーウォルター氏や、メルビン氏のような経験豊富な監督に白羽の矢を立てるのも、「オールドスクール」と呼ばれるベテラン指導者の経験や眼力を必要とするからに違いない。
データだけでは勝ち抜けない
セイバーメトリクスをはじめ、スタットキャストなど、コンピューター分析に基づくデータ利用が定着した昨今、メジャーの戦術・戦略は大きく様変わりした。走攻守の各プレーを数値化し、戦術・戦略に活用することを重視するため、データ解析に秀でる高学歴のフロント陣の意見が重要視され、極端な守備シフトだけでなく、対戦相手によってラインアップまで決められるようになった。それらはすべて、十数年前には考えられないことだった。