サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「厳しいことが言える選手でいたい」守田英正26歳が語る“今、一番意識する”田中碧とサッカー日本代表の世代交代
posted2021/12/22 11:05
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph by
Getty Images
10月12日、カタールW杯アジア最終予選のオーストラリア戦。前節にアウェーでのサウジアラビア戦に敗れたサッカー日本代表は、第4戦目にして“崖っぷち”に追い込まれていた。
この試合で日本より上位にいるオーストラリアに敗れれば、W杯7大会連続出場が大きく遠のく。どうしても負けられない試合だった。
そんな大一番で重要な任務を与えられたのは、ここまで少しずつ代表での実績を積み重ねてきたMF守田英正(26歳)だった。最終予選で初めてとなるスタメン入りを果たすと、森保一監督から与えられたポジションは普段のボランチではなく、「4-3-3」のインサイドハーフ。川崎フロンターレ時代のチームメイトであるMF田中碧と共に新システムの肝となる役割を任された。
果たして、チームの勝利のために、自身の価値を証明するために挑んだ試合は、喉から手が出るほど欲しかった「勝点3」を得る結果になった。新システムで臨むという即席に近い状況下ではあったが、守田は持ち前の戦術眼を駆使して黒子役として奮闘。ゴールを奪った田中がMVPとするなら、守田は影のMVPと言える働きを見せた。
ただ、惜しまれるのは失点に直結したFKを与えるファウルを犯したこと。改めてオーストラリア戦を振り返った。
「僕自身、試された試合だったと思います。結果として勝てたことはすごくよかったと思いますけど、もしあれが仮に負けていたり、追いつかれて同点だったら今の状況は全然違ったと思っています」
異国の地、ポルトガルへ
昨年の冬、守田は1つの大きな決断を下した。
これまでのサッカー人生で見たこともない景色を見るために、そして夢であるW杯に出場するために、2017年から在籍した川崎を離れ、異国の地、ポルトガルへ渡った。