“まったく読めない”のはランジャタイ

　初出場組で結果がまったく読めないのは、ランジャタイである。彼らもまた「非吉本」だ。今大会、随一の「破壊系」。二人の漫才を、客は、審査員は、どう受け止めるのか。

　ゼロか、100か――。

　そんな極端な結果が目に浮かぶ。どうであれ、ランジャタイがどこの順番に入ってくるかで、大会の流れは大きく変わってくるだろう。

　複数回出場の4組のうち、もっとも期待を抱かせるのはオズワルドだ。というのも、彼らは3年連続出場とは思えないほどの鮮度を今も保っている。理由は2つある。1つはネタが多彩だということだ。どのネタも既視感がなく、必ず「よく考えたな」という小さな驚きがある。もう1つは、2019年はミルクボーイの後、2020年はマヂカルラブリーの後と、いずれも優勝者の後だったせいだ。ざわつく会場で、オズワルドの「静」の漫才は、ハマったとは言い難い。そのため、印象が薄いのだ。ただ、今となっては、このことは彼らのアドバンテージになっている。

　彼らが、2019年のかまいたちのように、初出場組の前に立ちはだかる大きな壁となれば、大会は白熱し、いやが上にも盛り上がる。

　ネタ、演技力、そして、圧倒的な勝負根性。オズワルドとかまいたちは、不思議なほど多くの点でイメージがダブるのだ。

　＜2021年決勝進出9組＞

　■インディアンス（吉本興業）
　田渕章裕、きむ。3年連続3回目の決勝

　■オズワルド（吉本興業）
　畠中悠、伊藤俊介。3年連続3回目の決勝

　■真空ジェシカ（プロダクション人力舎）
　ガク、川北茂澄。初の決勝進出

　■錦鯉（ソニー・ミュージックアーティスツ）
　長谷川雅紀、渡辺隆。2年連続2回目の決勝

　■モグライダー（マセキ芸能社）
　芝大輔、ともしげ。初の決勝進出

　■もも（吉本興業）
　せめる。、まもる。。初の決勝進出

　■ゆにばーす（吉本興業）
　はら、川瀬名人。3大会ぶり3回目の決勝

　■ランジャタイ（グレープカンパニー）
　伊藤幸司、国崎和也。初の決勝進出

　■ロングコートダディ（吉本興業）
　堂前透、兎。初の決勝進出

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