佐山の野望「新しいダイナマイト・キッドを育てたい」

　佐山が語った課題は、主戦場の名前でもある“ストロングスタイル”をより追求すること。「“これが闘いだ”というものを見せてほしい」と佐山は言う。それはクイーンだけでなくプロレス界全体に足りない部分でもあるそうだ。

「飛んでもいい、回転するのもいい。その中で“闘い”を見せてもらえればと。ダイナマイト・キッドも小林邦昭もそうでしたから」

　また佐山は、来年の展望として「新しいダイナマイト・キッドを育てたい」と語っている。かつての自分がそうだったように、弟子たちにもライバルが必要だと考えているのだ。

タイガーマスクvsダイナマイト・キッド（81年の初代タイガーデビュー戦）　©AFLO

　その“新時代のダイナマイト・キッド”、候補はいるが日本人か外国人かは内緒とのこと。取材陣からは男子か女子かという質問もあった。ストロングスタイルプロレスには男子選手スーパー・タイガーもいる。佐山はこう答えた。

「イメージしていたのは男子なんですが、女子もいいですね。女子にもいい選手がいますから。けっこう女子プロレス、面白いですね」

“寅年”の来年、クイーンを待ち受ける物語は…

　クイーンがデビューすると、ストロングスタイルプロレスはジャガーが所属するワールド女子プロレス・ディアナと協力体制を作ることになった。これによりストロングスタイルプロレスの大会でも女子の試合が増加。この新宿大会は6試合中3試合が女子マッチとなっている。ジャガーのような大ベテランからデビュー1、2年の新鋭まで多彩な顔ぶれがリングに登場し、その試合ぶりが佐山の印象にも残っているというわけだ。現在の女子プロレス界の充実ぶりが佐山にも届いた、そう言ってもいい。

ストロングスタイルプロレスの年内最終興行でマスコミの囲み取材に答えた佐山聡。クイーンのライバルとなる存在について言及した

　佐山の頭にある“キッド候補”が誰なのかは分からないが、ライバルの存在はタイガー・クイーンのキャリアをさらに見応えのあるものにしていくだろう。もちろん、これまでに対戦した山下、佐藤、彩羽、鋼との“続き”も見たいところ。寅年の2022年、タイガー・クイーンをめぐってどんなストーリーが描かれるのだろうか。

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