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タイガー・ウッズ「事故現場のあの道は、まだ通れない」切断も検討した右足とゴルフは順調回復、気がかりは“心の深い傷”
posted2021/12/07 06:01
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
Getty Images
タイガー・ウッズの明らかな回復ぶりが見て取れる1枚の写真が世界を沸かせたのは、あの交通事故から8カ月が経過した10月9日(米国時間)のことだった。
今年2月にロサンゼルス郊外で交通事故を起こしたウッズは、命はとりとめたものの、右足に重傷を負った。以来、治療とリハビリに専念し、一度だけ、松葉杖姿で立っている写真をツイッターで発信したことはあったが、公の場に姿を見せることも肉声を発することもなく、回復の度合いや今後の見通しが案じられていた。
そんな中、フロリダ州内で開かれたジュニア大会会場の練習場で、ショット練習する長男チャーリーくんの打席の後方に立って見守るウッズを捉えた1枚の写真がSNSを駆け巡った。松葉杖なしで、自分の足で立っているウッズの姿を見て、世界中が「タイガー・イズ・バック!(タイガーが戻ってきた)」と沸き返った。
近いうちに何かが起こる。きっとウッズがアクションを起こす。そんな人々の期待に応えるかのように、11月に入ると、ウッズは次々に動き出した。
スイング動画は700万回超え
21日には、まず事故後、初めてとなるスイング動画を発信。たった1スイングだけの3秒間の動画だったが、立っているだけではなく、ゴルフクラブを振り、球を打っているウッズの動画は、瞬く間に拡散され、視聴回数は700万回を超えていった。
「Making progress(前進している)」
動画に添えられた一言は、2017年4月の4度目の腰の手術を経て復帰しようとしていたときにも、ウッズが自身の動画に添えたフレーズだ。
あのときも、今回も、一歩一歩、踏みしめながらのスローな歩みだ。しかし、スローであっても、前に進んでいる。そんな実感が込められた一言だった。