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「本当に立派な走りでした」コントレイルがジャパンCで有終の美…“男泣き”福永祐一が三冠馬と歩んだ「夢のような」2年間

posted2021/11/29 12:20

 
「本当に立派な走りでした」コントレイルがジャパンCで有終の美…“男泣き”福永祐一が三冠馬と歩んだ「夢のような」2年間<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

引退レースとなったジャパンカップにて優勝したコントレイルと福永祐一。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Keiji Ishikawa

 やはり「無敗の三冠馬」は強かった。史上8頭目の三冠馬のラストランを勝利で飾った鞍上は、涙を抑えることができなかった。

 ダービー馬4頭を含むGI馬9頭による豪華競演となった第41回ジャパンカップ(11月28日、東京芝2400m、3歳以上GI)で、福永祐一が騎乗した1番人気のコントレイル(牡4歳、父ディープインパクト、栗東・矢作芳人厩舎)が2馬身差で優勝。引退レースでGI5勝目をマークした。

勝負の分かれ目はスタート

 勝負の分かれ目は、スタートにあった。

 前走の天皇賞・秋は、ゲート内でテンションが高くなって1、2完歩目を上手く出すことができなかった。そのため位置取りが理想より後ろになり、2着に惜敗した。

 今回もスタートが心配されたなか、福永は、1枠2番という後入れの偶数枠を最大限に生かした。

「偶数枠だったので、少し遅めにゲートインして、何とかいいスタートを切ってくれました。枠の運にも恵まれたと思います」

 最後から2番目にゲートに入り、ストレスのかかる時間を極力短くした。その甲斐あって、コントレイルはゲートからの1、2完歩目をスムーズに出した。そして、外から切れ込んで来た馬たちを先に行かせ、中団のやや前の内目で流れに乗った。

 結果的に、スタートという最大の難関をクリアした時点で、コントレイルは勝利を大きく引き寄せたと言えよう。

「今日で終わりだと思うと、いろいろ込み上げてくる」

 ハナを切ったのは4番人気のアリストテレスだった。ワグネリアン、シャドウディーヴァらがつづく。それらの直後に3番人気のオーソリティ、少し遅れて2番人気のシャフリヤールと、コントレイル以外の人気どころは先行している。

 馬群は向正面へ入った。コントレイルは、シャフリヤールを2馬身ほど前に見る7番手で折り合っている。

 福永は言う。

「非常にいいポジションで競馬ができましたので、あとは馬を信じる以外に何もしていないです。向正面に入ってからは、どのタイミングで追い出すかだけでした」

【次ページ】 福永の重圧「三冠馬の名誉を守りたい」

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