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高1で大谷翔平超え「通算本塁打47本の異常」 “花巻東の怪物”佐々木麟太郎を《3つのプロ指標》で評価してみた 

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及川彩子

及川彩子Ayako Oikawa

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posted2021/11/18 17:01

高1で大谷翔平超え「通算本塁打47本の異常」 “花巻東の怪物”佐々木麟太郎を《3つのプロ指標》で評価してみた<Number Web> photograph by KYODO

東北大会決勝で適時2塁打を放ち、花巻東の初優勝に貢献した1年生の佐々木麟太郎

 主なものがOBP(On Base Percentage=出塁率)、SLG(Slugging Percentage=長打率)、OPS(On-base Plus Slugging Percentage=得点能力)。OBPとは打者の出塁する確率がどれだけ高いかをあらわす指標のひとつで、打率とは異なり、フォアボールや死球なども含んで計算する。SLGはその名の通り、打数に対してどれくらい長打率があるかというもの。OPSはOBP(出塁率)とSLG(長打率)を足したもので、得点のチャンスを作れる、また得点する能力があるか、つまりチームへの得点貢献度を図る指標だ。

 プロ野球やMLB、米国のNCAAなどは全試合の結果が出て、このような数字がアップデートされるが、高校野球では全ての結果を入手するのは難しいこともあり、このような指標を目にすることはない。

 佐々木に関しては、練習試合などの結果は一部しか手元にないため、データがある秋季岩手県大会(地区予選を含め7試合)、東北大会(4試合)の公式11試合の結果で(OBP、SLG、OPS)を分析すると下記のような数字が出る。

OBP(出塁率)=0.433 (平均:0.320、とても優秀:0.390以上)

SLG(長打率)=0.784 (平均:0.450、とても優秀:0.550以上)

OPS(得点能力)=1.217(平均:0.7000~0 .7666、とても優秀:0.9000以上)

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 評価の数値はMLBなどで使用しているが、佐々木の3つの数値はすべて「とても優秀」に分類される。ちなみに11試合の打率は3割7分8厘という数字で、こちらも十分に高い。

出塁率)高い数値を叩き出す“四球の多さ”

 まず初めにOBP(出塁率)の数字が高いのは四球の多さに関係している。「ホームランバッターだから相手投手が敬遠気味だったのでは?」という意見もあるかもしれないが、それも打者としての能力の一つと言える。

 9月の県大会、黒沢尻工業戦後に佐々木はこう話している。

「夏の大会以降、選球眼を磨く努力をしてきました。甘い球を見極められるように、ボール球をきちんと選べるように練習をしてきました。つなぐ意識、チームに貢献することを常に考えて打席に入っています」

 打ちたい気持ちは誰にでもある。しかし闇雲にボール球に手を出すのではなく、我慢して四球を選ぶこと、投手から四球を引き出すのも打者の実力だ。公式戦で三振が少ないのも大きな特徴だ。

【次ページ】 長打率)「でも本数に関しては特に意識していません」

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