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カズが生き抜いたブラジル、メッシを生んだアルゼンチンの育成より… 日本サッカーの参考になるのは《実はウルグアイ》なワケ
posted2021/11/14 17:02
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
JMPA(2)/Getty Images
カズは高校を1年で中退し、15歳でブラジルへと渡った。プロクラブのアカデミーで練習するのと並行して、フットサルチームにも入った。彼のトレードマークである跨ぎフェイントは、フットサルの代表的な技の一種だ。
退路を断ったカズは、「何が何でもプロになる」という強い覚悟で、ハングリー精神の塊のような同世代のブラジル人と激烈な競争をした。努力が実を結び、19歳になる2日前、名門サントスと念願のプロ契約を交わす。しかし、サントスではほとんど出場できず、地方の中小クラブで武者修行をした。2年後、サントスへ復帰すると、今度はレギュラーとして活躍。「ガリンシャ・ジャポネス」(日本のガリンシャ)と呼ばれ、ブラジル全土にその名を知られるまでになった。
選手育成システムの根幹は数十年前に確立
ブラジル国内の育成年代の大会としては、U-15、U-17、U-20の州選手権があり、U-17とU-20は全国選手権(20チーム参加)とカップ戦(32チーム参加)がある。さらに、南米レベルでは2011年にU-20コパ・リベルタドーレス(10カ国の12チームが参加)が創設された。
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ブラジルのフットボール関係者は、「我が国の選手育成システムの根幹はすでに数十年前に確立された。そのお陰で、今日のようなフットボール大国になったんだ」と胸を張る。
そんなフットボール大国であるブラジルだけでなく、南米には2つのW杯優勝経験国がある。アルゼンチンとウルグアイだ。ではこの2カ国はどのような育成システムを築き上げているのだろうか。
アルゼンチンの「バビーフットボール」とは
アルゼンチンの選手育成システムは、ブラジルと類似する点が多いが、相違点もある。選手が主としてプロクラブのアカデミーで育成されるのは、ブラジルと変わらない。最大の違いは、小学生年代でブラジルではフットサルをプレーするのに対し、「バビーフットボール」を活用することだろう。