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和服姿で「ハイチーズ!」、愛車はトヨタ、好物はかけうどん…中日・ビシエドが名古屋で愛されるワケ〈新たに3年契約で残留〉
text by
渋谷真Makoto Shibutani
photograph byKYODO
posted2021/11/11 11:06
残留が決まった“タンケ”ことビシエドが名古屋で愛される理由とは
〈名古屋愛〉栄で買い物、愛車のクラウンで街をドライブ…
タンケは名古屋を愛している。家族との時間、絆を重んじるタンケは、休日も家族と過ごす。栄で買い物を楽しみ、大好きな焼き肉に舌鼓を打つ。刺身もサーモンやマグロといった、米国でもなじみのあるものなら大丈夫。梅干し、らっきょうにもトライしたことがあるが、唯一「無理だ」と顔をしかめたのが納豆なのだとか。
「球場では毎試合といっていいくらい、うどんを食べます。いたってシンプルな、かけうどんですね。それとカレーライスが好きです。遠征先のランチなんかはよくカレーライスを食べています」とは桂川通訳。焼き肉、うどん、カレーライス。最近は酒量を控えているようだが、たしなむのは「響」「山崎」といった国産ウイスキーだった。タンケの胃袋は、まんま日本人なのである。
日本を愛し、名古屋を愛しているのはファミリーも同じだ。ジュニアくんは日本の少年野球チームに所属し、投手と内野手をこなす中心選手として活躍している。「ドラゴンズベースボールアカデミー」も受講しており、名古屋の少年野球界ではちょっとした有名人。年末に開催されるNPB主催の12球団トーナメントに出場する「ドラゴンズジュニア」の候補者でもあったが、シーズンオフの帰国を優先するため、泣く泣く辞退したという。
「家族の中で一番日本語がうまいのはジュニアくんです。日本語の塾にも通っていますから。とにかく野球が大好きで、チームメートも大好きなんですよ。本当は恥ずかしがり屋さんなんですが、野球をやることによってどんどん交友も広がっています」
ダイアナちゃんもチアドラゴンズのダンス教室に通っていた時期があり、現在はスイミングスクールに励んでいる。好きなことを一生懸命に……。タンケの教育方針は子供たちにしっかり浸透しているようだ。
「日本人の優しさ、街の美しさについても、タンケはよく話します。最初は『野球チームの練習に一人で行かせるなんて、信じられない』と言っていましたが、今は日本という国を信頼しています。スタジアムでもアメリカとは違う応援スタイルの熱さを気に入っていますから」
愛車はトヨタクラウン。名古屋の地理を把握し、軽やかにドライブする。これも日本の治安と日本人のマナーに信頼を寄せているからだろう。