濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
大日本・新エースの“覚悟” ドリュー・パーカーのデスマッチ愛「痛いけど頑張る、まだやれる…」野村卓矢は「ストロングBJが最強だ」
posted2021/10/24 11:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
毎日、コンビニで買った昆布のおにぎりばかり食べていたとドリュー・パーカーは振り返る。23歳。イギリス、ウェールズはフリントシャー州コナズクエイ出身だ。一昨年、大日本プロレスの所属となり、今は神奈川・鴨居の道場に併設された寮で生活している。
「最初は日本語が読めなくて大変だった。食べ物に何が入ってるか分からないから」
ドリューはヴィーガンで、肉だけでなく卵や乳製品も口にしない。最初に“発見”したヴィーガンもOKな食べ物が昆布のおにぎりだったわけだ。
「今は生活の問題は全然ない。レストランもコンビニもヴィーガン・オプショナルなメニューが増えたし。東京オリンピックの影響かな。結局、外国人は来なかったけど俺は嬉しかった(笑)」
試合後のコメントはもちろん、このインタビューもすべて日本語。若き“デスマッチ・プリンス”は日本の生活と試合に慣れるとともに輝きを増し、今年は恒例のリーグ戦『一騎当千』デスマッチ部門で優勝を果たした。
ウェールズの田舎からやって来た“デスマッチ・プリンス”
故郷は「凄い田舎。仙台に行く時にご飯のファーム(水田)がいっぱいあるでしょう。あんな感じ」。海外に旅行することはあっても住もうという人間はなかなかいない。プロレスラーも地元では自分1人だとドリュー。親の仕事を継ぐのが当たり前の土地だから、と言う。ドリューの親は法律関係の仕事をしている。けれど彼自身は勉強して大学に行くつもりなどなかった。子供の頃からレスラーになりたかった。
「初めてWWEを見たのが8歳くらい。最初のヒーローはショーン・マイケルズとかジェフ・ハーディー。それからネットでECW、CZWを知って、大日本も」
空中殺法を使う選手が好きで〈プロレス ダイブ〉などのワードで検索。しだいにエクストリームな世界を知り、デスマッチの虜になった。