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「お前はもっと出来るだろ」八村塁と渡邊雄太が教えてくれたこと…シェーファーアヴィ幸樹が語る新境地とは? 

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田中大貴

田中大貴Daiki Tanaka

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photograph byYUTAKA/ALFLO

posted2021/10/14 17:00

「お前はもっと出来るだろ」八村塁と渡邊雄太が教えてくれたこと…シェーファーアヴィ幸樹が語る新境地とは?<Number Web> photograph by YUTAKA/ALFLO

東京五輪を経て、気持ちを新たに新シーズンへ臨むシェーファーアヴィ幸樹。NBAで活躍する八村塁と渡邊雄太には多くの刺激をもらった

「たとえばスロベニア代表はルカ・ドンチッチというNBAを代表する世界的スターがいるチーム。でも、モチベーションやパッションを含めた勝利への意欲の点では全選手同じ温度感でプレーしているのを感じました。だからドンチッチ以外の選手らが輝く試合が多かった。

 一方で僕ら日本代表は、塁と雄太さん2人とその他の選手では勝利への“欲”や“責任感”、“覚悟”に差があった気がした。僕もそうでした。どこか遠慮していた。シュートをここで打てばいいのに、パスを選んでしまうシーンが増えてしまった。やはり日本代表の全選手がマインドセットを変えて、メンタル的にも同じレベルに持っていくことが出来ないとスロベニアのようにはなれないと思いました」

 大舞台でも遠慮せずに、堂々と自信満々にプレーできていれば……シェーファーにとって東京五輪は、大きな後悔と課題を感じた世界大会だったという。この経験を今後にどうつなげていくのか。

「僕の人生はずっと下から上がっていく人生でした。バスケを始めたのが遅く、アンダーカテゴリーの代表では下っ端。海を渡り、ジョージア工科大学でも下から這い上がってきました。日本代表のトップチームに選ばれても当落線上の選手。でも、そこから、どう環境を良くしていくかは自分の振る舞い次第。塁も雄太さんも代表という環境をどう良くしていくかを考え、自らの振る舞いで変えようとしていました。

 雄太さんの言葉で印象的だったのが、その立場にいると、その立場に見合った振る舞い、プレーをするようになるということでした。自分を認めてもらえる環境に変える努力をしているのを一緒にプレーして感じることが出来ました。そこを見ることが出来たのは本当に良かったです」

【次ページ】 大切にしてきた言葉

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