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〈史上初の5連覇〉ホーバスジャパンをどう“進化”させるか? 女子バスケ新ヘッドコーチが見せたその“片鱗”とは

posted2021/10/10 17:00

 
〈史上初の5連覇〉ホーバスジャパンをどう“進化”させるか?  女子バスケ新ヘッドコーチが見せたその“片鱗”とは<Number Web> photograph by AFLO

アジアカップで大会史上初の5連覇を飾ったバスケットボール女子日本代表。初陣で見せた「恩塚ジャパン」が目指す戦い方とは

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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 バスケットボール女子日本代表が東京五輪の銀メダル獲得で世界を驚かせてから2カ月弱。トム・ホーバス前ヘッドコーチ(HC)の退任に伴って9月に就任したばかりの恩塚亨(おんづかとおる)HCが率いる新生・女子日本代表が、女子アジアカップ(9月27日~10月3日=ヨルダン・アンマン)で史上初となる5連覇を達成した。本大会は2年に一度の開催。2013、15、17、19年に続く5大会連続優勝となった。

 この間の指揮官は3人いる。内海知秀HC(16年リオデジャネイロ五輪)、ホーバスHC(21年東京五輪)、そして恩塚HC。3代に共通する日本の強みには、最後まで衰えない脚力や素早い攻守の切り替えというベースがあるが、選手も戦術もどんどん変化しながらの5連覇は素晴らしい。

 しかも今回は五輪で大きな成果を出した直後で、メンタル面でも準備時間の面でも難しさを抱えながらの快挙。恩塚HCはどのようなチームビルドで初陣を飾ったのだろうか。

恩塚HC「目標はパリ五輪での金メダル獲得」

 今回の12人には、東京五輪の5人制から5人(林咲希、赤穂ひまわり、オコエ桃仁花、宮崎早織、東藤なな子)、同3×3から3人(馬瓜ステファニー、山本麻衣、西岡里紗)が入った。平均年齢は東京五輪の26歳に対し、今回は26歳のキャプテン林咲希が最年長で、平均年齢は23歳。若手中心の構成だった。

 9月22日のHC就任会見で、恩塚HCは「目標はパリ五輪での金メダル獲得」と掲げ、戦い方の主軸を「アジリティー(俊敏性)」とするとした。

「世界一のアジリティーを追求して、身長の高さをアジリティーの高さで凌駕したい。アジリティーとは、ネクストプレーへの速さや適応力。ただの速さだけではなく、いろいろな状況に対してより速く、的確に適応していくことを指す」(恩塚HC)

 世界を凌駕できるアジリティーを発揮するための方策としては、「選手が自信を持って判断するバスケットを追求したい」とも掲げ、このようにも語った。

「選手自身が考えてプレーできる仕組みを私たち(日本代表)がモデルとなって作ることができたら、どのようにプレーしたらよいのだろうという情報を発信することにもなると思う」

「攻撃の判断を私に任せてほしい」。大会中、PG宮崎が申し出た

 アジアカップでは早くもこれが体現された。大会中、ポイントガードの宮崎が恩塚HCに「攻撃の判断を私に任せてほしい」と申し出たタイミングがあったのだ。

【次ページ】 PG宮崎が選択した「指示された形ではない攻撃」

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