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東京五輪を前に人生初の骨折「しゃあないなぁ」西武浮上のカギを握る外崎修汰に期待したい“予想外の一発”
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph bySankei Shimbun
posted2021/09/14 11:02
シーズン序盤のアクシデントもあったが、徐々に復調の兆しを見せる外崎修汰。チーム浮上の鍵を握っている
日々、患部の様子を見ながらの練習が続いたという。では、どんな方法で焦りを抑えていたのか。
「開き直るのがいちばん簡単で、精神的にもラクになれる方法だったなと今は思えます。けっきょく、野球をやりたいと焦っても、頭で考えても意味がないんですよね。だから、そこは開き直って『今は体をしっかり休めて、治療に専念するしかできないから、しゃあないなぁ』と思うようにしていました。試合も、まっさらな気持ちで見て、ライオンズを応援する。そのほうが精神的に安定していましたね」
ケガさえなければ最終選考入りが濃厚だと言われた東京オリンピックについても「いち観客として、いちファンとして応援していた」と振り返る。
「僕にとっては骨折自体が人生で初めてだったので『どんな感じなんだろう?』『本当に元の感覚を取り戻すことができるのか』と不安だったので、あまりオリンピックのことは考えられなかったですね」
メダリストの一員になれなかったことは残念ではある。しかし、外崎が言う「これが外崎修汰のスタイルだ」というバッティングを取り戻すことができれば、WBCを始めとする国際舞台出場への道は再び拓けるだろう。
まずはライオンズのために、終盤戦での巻き返しを目標に――。外崎のバットに多くの期待がかかっていることは間違いない。
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