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高校球児の“意外な大ブーム” 専門店も「ここまで流行るとは…」1万円超のベルトがバカ売れ&バットは金色が「在庫ない」

posted2021/09/03 17:01

 
高校球児の“意外な大ブーム” 専門店も「ここまで流行るとは…」1万円超のベルトがバカ売れ&バットは金色が「在庫ない」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

優勝した智弁和歌山の選手たちも愛用していた1万円超するベルトとは?

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中村計

中村計Kei Nakamura

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Hideki Sugiyama

 この夏も、野球専門店・ベースマン立川店の店長で、「野球用具ソムリエ」の異名を持つ星徹弥さんに、高校野球界のトレンドチェックをしてもらった。コロナ下、消費自体が冷え込み、各メーカーとも新製品開発に思い切って投資しにくい状況が続いている。そのせいか、バット、グラブ、スパイクといった道具の主役たちの顔ぶれにはさほど変化は見られなかった。そんな中、見た目には誰も気づかない、意外な商品が大ブームを巻き起こしていた。また、決勝で実現した「智弁対決」。ユニフォームの見分けがつかないという悲鳴が上がる中、カリスマ店長の目には「まったく違うものに見えた」という。さすがは「道具の違いがわかり過ぎる男」である。

「ゴールド色が異常に増えました」

――まずは恒例のホームランバットから見ていきたいのですが(表参照)、やはりミズノが強い。36本中19本。19本中16本はVコングシリーズですね。

 根強いですね。Vコング系バットのボールが張り付くようなやわらかい「打感」は、やっぱり他のバットでは得られない独特のもの。Vコングと2強を形成するエスエスケイのスカイビートシリーズは、昨年、廃盤となった「31」タイプのホームラン数が伸びているのがおもしろいところですね。6本も出ています。エスエスケイはミズノとは対照的で、打感が硬いのが特徴です。この業界では、廃盤が決まると、希少価値が高まるというか、にわかに人気が出たりするものなんですよ。なので、メーカーさんも「一過性の現象なので」と、復活させることはないと言っていました。シェア率では、同シリーズの新型「31K」の方が高いですからね。新型の「31K」は、素材は同じなのですが、縦に研磨された跡があり、ボールにスピンをかけやすいと言われています。

――バットに関しては、他にどんな傾向が見られましたか。

 ゴールド色が異常に増えました。Vコングシリーズのゴールドなんて、うちの店でもほとんど確保できない状態です。2年前あたりは、黒かシルバーが主流で、ゴールドを買うお客さんなんて、ほとんどいなかったんですけどね。半面、シルバーの動きがピタリと止まってしまいました。原因は、ちょっとわからないんですけどね……。何年かに一度起こるブームの単なる自然変動のようなものかもしれません。

「8割のお客さんが白を求めてきます」

――バット以外の、この夏のトレンドはいかがだったでしょうか。

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