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田中碧とアペルカンプ真大は“宇佐美貴史&原口元気の再来”になれるか〈昇格を目指すデュッセルドルフ“日本コンビ”再び〉
posted2021/08/31 11:05
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Getty Images
デュッセルドルフ中央駅からスタジアムへ向かうトラムが揺れている。ドイツでは新型コロナ対策の1つとして公共交通機関ではマスクの着用が義務。そのためか以前に比べて車内でうるさくしゃべる乗客は減っていた。だが、試合日は少し様相が違う。
週末の有観客試合。仲間と一緒の試合観戦。
マスクをしたままながら、車内で飛び跳ねて屋根を叩きながら雰囲気を盛り上げていく若いファンがいた。普段ならそのノリに他のファンが合わさって、車内大騒ぎになるのがブンデスリーガの日常なのだが、さすがに自制心を働かせて加わらないようにしている。ライバルクラブであるボルシアMGやケルンへのお決まりヤジコールが飛び出したときには、拍手をしていた人が多かったけれど。
この日のキール戦は2-2で引き分け。相手にリードを許した展開から終盤に追いついての引き分けだっただけに、ファンからのリアクションはそこまでネガティブではなかった。それでも開幕4試合で1勝1分2敗の12位。イメージ通りに勝ち点を得ていないだけに、やきもきしているファンは少なくないだろう。
昨季は終盤まで昇格の可能性を残していたが
デュッセルドルフの今季目標は1部昇格だ。
2部降格初年度だった昨季は終盤まで昇格の可能性を残していたが、最終的な順位は5位。戦力的には悪くはない。だが、シーズンを通して勝ち切れない試合が少なくなかったのは反省材料だ。また、昇格していったクラブ(ボーフム、グロイター・フュルト)と比較すると、チームのコレクティブな戦い方の面で、どこか物足りなさがあった。
そんなクラブが新監督として招聘したのは、昨季フライブルクのセカンドチームを4部から3部へ昇格させたクリスチャン・プロイサー。クラウス・アロフス代表取締役社長は「若いが、2部リーグで指揮を執るだけの能力を持った監督だ。フライブルク時代には若手選手を育て上げながら、素晴らしいチーム作りをしていた。まさに私たちが探していた人材だ」と期待をかけている。