青野にベルトの感触を聞くと「硬いです（笑）」。何しろ生まれて初めてチャンピオンベルトというものを巻いたのだ。特にこのタッグベルトにはこだわりがあったから、あえて触らないようにしてきたという。関口は目指すチャンピオン像をこう表現している。

「自分が挑戦するのはまだ早いと思っている子が多いと思うので。みんなにチャンスを与えられるような、どんと構えたチャンピオンになりたいです」

　尊敬する先輩に勝った後輩も、やはり後輩の存在に想いを巡らせた。何もかもが五十嵐の言葉通りだった。

勝利したカケミク。関口は「ドンと構えたチャンピオンになりたい」と意気込んだ

「頼もしくなった」の言葉が意味するもの

　後楽園大会の翌週、8月21日には新木場1stRING大会が開催された。ここでもメインで勝利したのはカケミク。今度は関口がフィニッシュを取った。チャンピオンとしてのメイン登場に、前夜は眠れないほど緊張したそうだ。

　試合後には谷ももと向後桃の「Wもも」がタッグ王座に挑戦表明した。2人は後楽園に続いてこの大会でも勝利し、自信をつけている。青野は挑戦者チームの実力を認めるコメント。その表現が「強敵」とか「油断できない」ではなく「頼もしくなった」だったのが、アクトレスガールズでの選手の関係性をよく表している。実は同じ言葉を、後楽園大会を前にした本間がカケミクに対して使っていた。

　清水は新木場大会のセミファイナルに組まれたタッグマッチで網倉理奈に勝利している。パートナーは本間、相手チームには尾崎。前タッグ王者チームがいる中で自分が勝つことを意識していたそうだ。

「これまでは1試合1試合ガムシャラにやるだけでした。でも今は具体的な目標をイメージできています。五番勝負で凄い方たちと闘って、自信を持たない理由がないなって。これからは頑張るだけじゃなくて結果を掴みたいです」

　そして翌日、22日のWAVE後楽園大会で、清水はSAKIとともに同団体認定のタッグベルトを巻いた。2週続けて後楽園で泣いた清水。今度は嬉し泣きだった。

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