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〈ブンデス現地取材〉“ワクチン接種者優先”で大声援・ビール・3密が復活… 長谷部誠と鎌田大地のフランクフルトが厳しい船出の理由
posted2021/08/28 17:00
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph by
Getty Images
2021-22シーズンのドイツ・ブンデスリーガが開幕しました。昨季のような無観客試合とはせず、各クラブは入場制限などを設けたうえで試合を開催しています。
僕も、さっそく取材に行きました。遠方への移動は様々なリスクが生じるため、まずは居住地であるフランクフルトをホームとするアイントラハト・フランクフルト(街名との混同を避けるため、以下アイントラハトと表記します)のホームマッチに赴きました。
これまではスタジアムへ向かうまでの街の雰囲気や高揚感を感じたいため公共交通機関を利用していたのですが、ドイツもコロナ禍の最中とあって感染リスクを考慮して、今回は自家用車で向かいました。
以前はスタジアムへ向かう電車、バス、トラムなどにサポーターが鈴なりでした。でも今回、普段は大混雑するフランクフルト中央駅前の道路にユニホームを着た一団はあまり見当たりませんでした。
それには幾つかの理由があります。
2万5000人の観客のうち2万人は……
まず、アイントラハトの本拠地フランクフルト・アム・マイン市が属するヘッセン州は、屋外でのイベントに際して2万5000人までの観客収容を許可しました。アイントラハトのホームスタジアムであるドイチェ・バンク・パルクは5万1500人収容ですから、約半数が入場可能となるわけです。
ただし、試合観戦には条件があります。まず、2万5000人のうちの2万人はワクチンを2回接種して2週間以上が経過した者、またはウイルス感染からの快復者に限られました。そして残りの5000人としては、48時間以内のPCRテスト陰性証明書を有する者も、チケット購入の権利を得ました。
これはドイツで『3Gルール』と称される新型コロナ感染症への防疫措置に準じています。また、チケット購入はシーズンチケットホルダーが最優先され、続いて一般購入者を募る形となりました。また、観戦者の予防接種や快復の記録は事前にクラブが設けたアプリに登録しなければなりません。