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スターダムのアイコン岩谷麻優が5★STAR GPで完全復活か? 二段式ドラゴン・スープレックス解禁でも“センチメンタル”なワケ 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2021/08/11 06:00

スターダムのアイコン岩谷麻優が5★STAR GPで完全復活か? 二段式ドラゴン・スープレックス解禁でも“センチメンタル”なワケ<Number Web> photograph by Essei Hara

スターダム「5★STAR GP」を闘う岩谷麻優。最終日には、スターライト・キッドとの因縁の対決も待ち構えている

岩谷はポツリ「みんないなくなっちゃう」

「5★STAR GP」は7月31日に横浜武道館で開幕したが、9月25日の大田区総合体育館での優勝戦まで2か月近いロングランだ。シリーズ中、2グループに分かれた公式リーグ戦9試合がそれぞれ不規則に組まれている。岩谷には2連戦の後、11日間のブレイクが入った。だが、ブレイク中にはタッグマッチを戦いながら、シングルの公式戦を見据える必要がある。

 星のつぶし合いの気配が漂っている。そんな中で岩谷は勝ち星を重ねて優勝決定戦にコマを進めなくてはならない。

 前述の鹿島との遺恨試合もこの先に残っている。かつてはSTARSの仲間だった鹿島ももう遠いところに行ってしまった。

「みんないなくなっちゃう」岩谷はポツリとつぶやいた。

スターライト・キッドをめぐる“センチメンタル”な思い

 気になるカードがある。最終日、優勝決定戦の日に組まれているスターライト・キッドとの公式戦だ。

 大江戸隊に奪われたキッドは、岩谷が大江戸隊との1vs.5の無謀な奪還マッチに勝利しても「対角に立つ」とStarsへの復帰を拒んだ。岩谷は大江戸隊の5人を相手にしたが、4人に勝った後、5人目の琉悪夏にはセコンドの乱入による反則勝ちだった。納得できない勝ち方でも「勝ちは勝ち」だったが、岩谷の奪還の思いはキッドには伝わらなかった。

「岩谷麻優、対角からあなたを越える。私は、大江戸隊に来てまだ何も成果を残していない。ずっと岩谷麻優の相棒、そんなスターライト・キッドはもうイヤなんだよ。私があなたを越えた時、また隣に立つときがやって来るかも知れない。私は岩谷麻優にとって最大のライバルになってやるんだよ」(キッド)

 キッドの岩谷越え宣言にも関わらず、岩谷はなぜかセンチメンタルだった。

「STARSはキッドだけじゃない」と、言いながらもキッドへの気遣いが見える。

「キッド、ずっと、待っているよ。いつでも戻って来い。戻って来るまで敵としてライバルとして、戦って行きましょう。また逢う日まで」(岩谷)

 そんなセンチメンタルな思いが、岩谷の意外な落とし穴になってしまわなければいいのだが……。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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