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「女子は獲れない」を見返したいと…村上茉愛、天才体操少女が大人になったとき「大学1年がターニングポイントでした」
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byMasamitsu Magome
posted2021/08/02 20:15
ゆかで世界屈指の実力者へと成長した村上茉愛。日体大での生活が飛躍へのきっかけとなった。
反骨心をバネにした高木菜那を手本に。
東京五輪まで2年あまりとなった今は、リオ五輪前と違う考え方で'20年を見つめているという。
「以前は数年後を見ていたのですが、今は目の前の試合をこなしていくことに集中しています。先ばかり見て、ケガをしたら意味がない。ですから今は継続する力をつけることにこだわっています」
2月の平昌五輪はスピードスケートに夢中になった。小平奈緒や高木美帆以上に印象が強かったのは、高木菜那。反骨心をバネにして努力を重ねて金2つを獲得した姿に感銘を受けた。多くの金メダルを獲得してきた体操男子と比較されて「女子は獲れない」と言われてきたことを見返したいと思っている自分と重なって見えたのだ。
「今の私は体操とうまく向き合えています。体操は私の居場所であり、帰ってくる場所。だから、体操で信頼を得られる選手になりたい。“村上さんなら大丈夫”という演技をいつでもどこでも変わらず、淡々とできる選手になりたいです」
金メダルを夢見ていた少女から、現実の中で精一杯生きる大人のアスリートへと成長した。気づけば、クルクルと表情を変えながら元気に飛び跳ねていたジュニア時代の魅力を残しながら、冷静に東京五輪の頂点を見据える眼差しがそこにあった。
(Number948号『村上茉愛「一歩ずつ着実に前へ」』より)
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