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スケボー初代女王&最年少金 関係者が知る13歳西矢椛“モミちゃん”とは?「『私が乗りたいから入るねん!』タイプですね」
text by
吉田佳央Yoshio Yoshida
photograph byGetty Images
posted2021/07/27 17:07
女子ストリート初代王者&日本人最年少金メダリストに輝いたのは、13歳の西矢椛選手だった
スケボーが大好きで「私が乗りたいから入るねん!」タイプ
「負けん気が強いんでしょうね。ビッグセクションに入る時もビビるってことがなくて、持ち技だったらいつもいけるんじゃない!? ていう感じでどんどん突っ込んでいくんですよね。
スケートボードってやったことがある方ならわかると思うんですけど、上達するには常に恐怖心との戦いなんですよ。怖いって言ってセクションに入らなかったら絶対に上手くなりません。なのでよく親が子供に行け行けと言って滑らせているところが多かったりするんですけど、彼女の場合はそうじゃなくて、『私が乗りたいから入るねん!』っていうタイプなんです。特定のスクールに通っていたということもないので、ただただ乗りたいって気持ちがここまで上達させたんじゃないかと思います。
昔から土壇場にも強かった。今回も巻き返しがありましたしね。そう考えると隠れたスター性はあったのかもしれませんね。2~3年前まではオーラも何もなかったんですけど、身体の成長とともに雰囲気が出てきました」
無駄のないスムーズな動きで的確にセクションを仕留める動きはまるで機械のようだが、ひとたびスケートボードを降りれば、その素顔はまだ13歳のかわいい女の子なのだ。
日本が強いのは「ストリート」だけじゃない
連日のようにスケートボード界から続々ヒーローが登場する様からは、かつてない一大ブームの予感すら漂う。
そして来週行われるスケートボード女子パークは、直近の五輪予選の全てを日本人が制しており、現世界ランクも日本人がワンツーフィニッシュと、まさに無双状態を誇っている種目だ。よく「オリンピックには魔物が住む」と言われるが、この現状を追い風にここでもメダルラッシュとなれば、未来のスケートボードを取り巻く環境は、確実に変わっていくだろう。
学校の部活に当たり前にスケートボード部が存在し、どの街にも当たり前にスケートパークがある。
そんな近未来を思い描くのも、決して非現実的な話ではなさそうだ。