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スケボー初代女王&最年少金 関係者が知る13歳西矢椛“モミちゃん”とは?「『私が乗りたいから入るねん!』タイプですね」
posted2021/07/27 17:07
text by
吉田佳央Yoshio Yoshida
photograph by
Getty Images
とにかく“楽しそうに”滑る。
「13歳、真夏の大冒険」という名フレーズまで飛び出した西矢椛の日本史上最年少での金メダル獲得劇は、彼女の若さ溢れる笑顔に癒された人も多いのではないだろうか。
スケートボードの女子ストリートは、1位の西矢椛と2位のライサ・リールが13歳、3位の中山楓奈が16歳と、世代交代とともに新たな時代の幕開けを印象付ける結果となった。
三つ編み姿が印象的な「普通の女の子」
思えば、6月のローマでの世界選手権からその予兆はあったのかもしれない。
この時は西村碧莉が鋼のメンタルと抜群の勝負強さで貫禄の優勝を果たし、流石だなと思わせてくれた一方、筆者の目にはそれ以上に準優勝だった西矢椛の急成長が目に留まった。彼女のことは4年ほど前から見ているのだが、当時は腰近くまである髪を三つ編みでいい意味でスケーターらしくない、ごくごく普通の女の子だった。それがみるみるうちに成長し、コロナ禍による中断でしばらく姿を見ない日々が続いたことも相まって、ルックスと共にスキルも急成長を遂げているように見えたのだ。
それでもこの時は、「東京五輪での金メダル獲得」までは想像できなかった。
ただ東京五輪の予選が始まると、その予感は一気に漂い始めた。というのも、2010年代の世界のガールズスケートボードシーンを牽引してきたレティシア・ブフォーニが9位でまさかの予選敗退。そして彼女と同じく時代を牽引してきた日本のエース・西村碧莉も、らしくないミスが続いたのだ。
ベストトリックのラスト2本でなんとか巻き返し、決勝へコマは進めたものの悪い流れは止められず、結果は無念の8位。やはり追われる者のプレッシャーなのだろうか。これが仮に1年前の開催であれば違う結果になっていただろう。
では、スケートボード(女子ストリート)の初代王者にして、日本の最年少金メダリストとなった西矢椛とは一体どんな選手なのだろうか?