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「私が強いの、ビッグダディに育ててもらったからだ」 スターダム・林下詩美が気づいた“赤いベルトの女王”の原点 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2021/07/01 11:01

「私が強いの、ビッグダディに育ててもらったからだ」 スターダム・林下詩美が気づいた“赤いベルトの女王”の原点<Number Web> photograph by Essei Hara

赤いベルトを持つスターダムの女王、林下詩美は、幼少期を振り返りながらプロレスラーとしての強さの秘密を語った

「岩谷麻優には“ゾンビ”を感じた」

 林下はがっちりしてきたように見えた。貫禄も増している。

「実際にウェイトは増えました。大田区に向けて食事面ではタンパク質を増やして、筋トレもしたので」

 タイトル奪取から5度の防衛戦を林下はふり返った。挑戦者の立場だった岩谷麻優は怪物だった。

「岩谷麻優にはやられてもやられても立ち上がって来る“ゾンビ”を感じた。スターダム10年分を背負って戦っているんだ。その分を私も背負って行く」

 初防衛戦の渡辺桃からはジェラシーが伝わって来た。

「同じユニットだから普段の試合で当たらない。対角線に立って、正面からぶつかった。桃さんもずっと赤いベルトを狙っていたから、それを私が持ったということで、嫉妬、怒りをリング上で感じました」

ビーの最後の相手をしたのは林下だった

 上谷沙弥はデビュー前から知っている。練習も見て来た選手。そんなかわいい後輩と日本武道館でぶつかった。

「上谷は新技と共に、私の技への切り返しも研究してきた。上谷の成長が感じられてうれしい時間でした」

 記者会見で上谷に張られても、林下は動かなかった。

「正直、上谷に張られるとは思っていなかった、親目線ではないですけれど、私とベルトに対しての思いが強くなっているのだと思ったら、そのビンタですらうれしくなった」

 そして、ビー・プレストリー。スターダムを去ってしまったが、その最後の相手をしたのが林下だった。

「最強外国人選手のビーと戦ったことで、自分の経験値もずっと上がった。私もこのベルトとともに世界に名前が届く選手にならないといけない」

 朱里の次は刀羅ナツコだ。

「好きではない。大江戸隊で鉄パイプを振り回すナツコは好きじゃないけれど、私が入ったころ、真正面からパワーでぶつかっていたあの時を思い出します。

 力と力のぶつかり合いがしたいと伝えたけれど、たぶん、今の刀羅ナツコにはその言葉は響かない。セコンドの介入があるかもしれないので視野を広げてリングに上がる。相手がどんなことをしても、私は正面から小細工なしに戦う」

【次ページ】 「刀羅ナツコには、真っ正面から来てほしい」

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