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【チャンピオンシップ初進出】「ダークホースに僕らはなる」負傷者続出でも大阪エヴェッサが目論む“強豪食い”の戦い方とは 

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カワサキマサシ

カワサキマサシMasashi Kawasaki

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posted2021/05/07 17:03

【チャンピオンシップ初進出】「ダークホースに僕らはなる」負傷者続出でも大阪エヴェッサが目論む“強豪食い”の戦い方とは<Number Web> photograph by B.LEAGUE

5月7日時点で1試合平均19.7得点(リーグ7位)、6.1アシスト(同2位)、3ポイント成功率44.7%(同3位)をマークするニュービル

「確かに、あの時期からチームが良くなっていきましたね。チームとしてやり方を大きく変えたとか、衝撃的な出来事があったわけではありません。シーズンの最初のころは練習があまりできていなくて、開幕前からしっかりチーム作りができていなかったんです。それが実戦を繰り返していくうちに、徐々に選手同士のプレーが合ってきて、いい具合に進み始めた。

 ディフェンス面では共通意識が高まり、チームとして遂行できるようになりましたし、ピックアンドロールの守り方を確立していきました。オフェンスはだれかに任せるのではなく、5人でボールを動かしながらプレーできたりと、あの時期くらいにチームとしてひとつ、ふたつステップアップしたかなと思います」(中村)

 チームが噛み合いだし、大阪は本来のポテンシャルを発揮し始めた。宇都宮ブレックス、琉球ゴールデンキングス、千葉ジェッツ、アルバルク東京の、いわゆる強豪勢を相手にいずれも1勝1敗。どれもが初戦に敗れながら、第2戦で粘って手にいれた価値ある勝利だった。竹野ACにそう話を向けると肯定しつつも、チームには次の段階を求めていたことを明かす。

「強豪チームから得た勝ち星は、大きかったですね。今季の最初のターニングポイントだったと思います。だけど僕はそのあとあたりから、『1勝1敗で行けたのは良かったけど、勝てるんだからなぜ初日からやらないのか』というところに目を向けていました。チームの修正点のレベルが、一段上がったような感じです」(竹野AC)

指揮官の復帰と若手の覚醒

 中盤戦は下位チームを相手に、いくつか取りこぼしともいえる敗戦を喫したが、東西の上位勢を相手に互角以上の戦いを繰り広げ、順調に白星を重ねた。そして3月3日の信州ブレイブウォリアーズ戦で、竹野ACが言う次のターニングポイントが訪れた。療養中だった天日HCが、この試合から現場復帰を果たしたのだ。

 天日HCはチームを離れていた自分が前面に出るのは良くないと、指揮権を竹野ACに預けたまま後方支援に回る。それでも帰ってきた指揮官は絶大な存在感を放ち、同時にチームに大きな安心感をもたらした。

「天日さんが帰ってきたのは、本当に大きかった。選手の顔つきが、目に見えて変わりましたから。チームがより引き締まりましたし、選手もチーム全体も『HCが帰ってきたし、オレたちはもっとやれる』というふうに自信を持ちました。コーチングスタッフの僕らにも、それがありましたね」(竹野AC)

【次ページ】 「走るバスケ」の起点となる男

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