酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
バース・掛布・岡田のバックスクリーン3連発+真弓の85年成績は今見ても偉大… 佐藤輝・大山・サンズで再現なるか
posted2021/04/17 06:01
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
BUNGEISHUNJU
読者各位は阪神タイガースのマスコット、トラッキーの背番号がなぜ「1985」なのかについて説明できるだろうか?
昭和世代の関西のおじさんなら
「何言うてんねん、1985言うたら阪神が21年ぶりに優勝した年やないか。バース、掛布、岡田が大活躍した年や。そんなことも知らんのか」
と言いそうだ。実際にはトラッキーが誕生した年なのだが、多くの阪神ファンは「あの1985年を記念している」と思っているだろう。
槙原相手に3連発、セ独走優勝のち西武を下し日本一
この年、4月17日の阪神甲子園球場での巨人2回戦の7回裏、阪神の3番ランディ・バース、4番掛布雅之、5番岡田彰布が、巨人の槙原寛己から3連続でバックスクリーンに本塁打をたたき込んだのだ。
筆者はこれをスポーツニュースで見ていたが、10年前の1975年7月19日、阪神甲子園球場で行われたオールスター第1戦を思い出した。この試合では広島の山本浩二と衣笠祥雄がパ・リーグの2投手から2本ずつ計4本のホームランを打った。
主砲2人の活躍に勢いづいて、広島はこの年創設以来の悲願だったリーグ優勝を飾ったのだ。
バース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発も阪神大攻勢の狼煙ではないか、という印象を持ったのだ。
果たして、阪神はこの年、2位広島に7差をつけて優勝、その勢いで日本シリーズでも西武を4勝2敗で下し、日本一に輝いた。
ランディ・バース31歳、掛布雅之30歳、岡田彰布27歳。この3人の強打者の経歴は、全く異なるものだった。