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中日・木下雄介の“残酷で衝撃的な負傷”は大手術へ… 27歳の決断を支えた「悲劇のエース」中里篤史の経験談

posted2021/04/14 06:00

 
中日・木下雄介の“残酷で衝撃的な負傷”は大手術へ… 27歳の決断を支えた「悲劇のエース」中里篤史の経験談<Number Web> photograph by Kyodo News

投球直後に右肩をおさえうずくまった木下雄介。ただごとではない場面に、場内も静まり返った

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小西斗真

小西斗真Toma Konishi

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Kyodo News

 中日の木下雄介投手が、4月9日に大阪市内の病院で大がかりな手術を受けた。右肩前方脱臼修復術と右肘内側側副靱帯の再建術、いわゆるトミー・ジョン手術を同時に受けたのである。

 悲劇が起こったのは3月21日の日本ハム戦(バンテリンドーム)だった。

 すでに開幕一軍を手中にしていた木下は、最後のオープン戦のマウンドに上がっていた。ところが投球直後に右肩を押さえてうずくまる。観客も少なく、グラウンドには「パチン」という音が聞こえたという。木下の肩関節が外れた音だった。歩くこともままならず、ストレッチャーに座って降板。あまりに残酷で衝撃的なシーンは、動画などで見たファンも多かったことだろう。

リハビリ期間が長くなる「手術」という方法

 悪夢から20日後の手術に至る過程には、葛藤があった。格闘技を含むスポーツ、あるいは日常生活の中での事故で、脱臼を経験したことがある方もいるだろう。外れた関節は、国家資格を持った柔道整復師などなら元に戻すことは比較的容易だ。さすがにプロのアスリートがすぐに投げることはできないが、関節周辺の傷ついた筋肉や腱を保存療法で治し、トレーニングで強化して再起を期すという方法はある。

 一方、投げるという行為で脱臼した以上、同じ動きをすれば同じことが起こる可能性も否めない。緩んだり、切れたりした腱を修復し、外れにくくする手術は再発の可能性は低くするが、リハビリ期間は長くなる。

 例えば昨年限りで現役引退した岩隈久志氏は、秋のシート打撃で右肩を脱臼。39歳という年齢を考慮して、手術したとしてもリハビリに費やす時間はないと判断し、引退を決意した。

【次ページ】 「悲劇のエース」中里篤史は保存療法を選び

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