プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
自分と闘うアントニオ猪木は必ず復活する 78歳の新しい夢へ、「一緒にインドにゴミを見に行きましょう」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2021/03/12 17:01
公開されたアントニオ猪木の動画はショッキングなものだったが、新たな夢を叶えるべく復活への道を歩んでいる
すぐには歩けない…猪木と戦う猪木
数カ月前は、長い時間座って話していると、時間をかけて体をほぐさないと、すぐには歩けなかった。それでも15分から20分、寡黙に目を閉じて手すりを使って屈伸運動を繰り返すと、階段も自力で降りることができた。そこには猪木と戦っている猪木がいた。私はそんな猪木を少しだけ距離を置いて見つめていた。かつて試合前のリングでウォームアップをしていた猪木の姿を思い出してしまう。
3年前の2度目の腰の手術からは一度回復したのだが、腰の痛みが再び猪木を襲った。1月から入院を余儀なくされた。コロナ禍で面会も許されないから、入院生活は単調で変化がない。それは猪木には腰の痛み以上に退屈で苦痛なはずだ。「元気ですか!」って思いついたように、突然、電話していることだろう。
「水分と塩分のバランスが難しいんだけれど、今、何がしたいかと言うと、冷たい水をコップいっぱいグアッと飲みたい、生ビールをいっぺんに飲み干してみたい」と語る猪木は少しずつ元気を取り戻している。
「ゴミが消える」水プラズマに夢を託す
猪木は現在、水プラズマに夢を託している。「ゴミが消える」という画期的な手法だ。九州大学の渡辺隆行教授の理論だ。
猪木は昔から、世界のエネルギー危機を救う、世界の食糧危機を救う、という大きなテーマを抱えて生きて来た。地球環境への関心も人一倍強かった。
環境とゴミ。猪木にぴったりのテーマがあった。猪木はフィリピンのゴミ捨て山スモーキーマウンテンの話をよくする。フィリピンでは法律でゴミを燃やすことができない。新型コロナウイルスがなかったら、フィリピン政府の国家プロジェクトとして水プラズマでのゴミ問題処理がスタートしているはずだった。